子どもと買い物に行っていますか?~学ぶ過程を大切に~

2010.10.07

ライフ・ソーシャル

子どもと買い物に行っていますか?~学ぶ過程を大切に~

寺西 隆行
(株)Z会

「我が子を東大に!」そんな思いで先取り学習、スパルタ教育…精を出されるのは間違いです。 子どもの感性を育みつつ、学ぶ過程を経験させること、これが最も東大合格に近づけます。 いや、東大合格ということだけではなく、人間としての成長、ですね。 「買い物に行く」この行為にある、学びとは?

10月6日付の日経産業新聞に、Z会の幼児コースについての記事がででん!と掲載されました。
◆Z会幼児コース
http://www.zkai.co.jp/pre/index.html

タイトルは“幼児も「東大一直線」 Z会、親子対象の新コース”。

ご覧戴いて「なんだか勉強、勉強って感じで、相変わらずのZ会だな…」と思われた方も少なくないかもしれません(苦笑)

しかし、机上の勉強ばかりがっつりやる!という記事ではありません。
記事冒頭の、次のZ会スタッフの声がそれを表しています。

「Z会の受験勉強はいわば知性の最高峰だが、幼児期の学習に知性が必要とは限らない。むしろ感性を伸ばすことが大事だ」

これは、(Z会の一社員としてプッシュする考え方!というわけではなく)教育に携わる一個人として全く同感です。

個人的に懇意にし、情報交換している小学校の先生仲間(とでも申しますか)がいます。
彼女たちの1人が、あるとき(もう数年前の話になりますね)こういいました。

「便利は悪いことじゃないけれど、便利に甘えるのはほんっと困るんだよね…。
以前は“来週工作するから、○○や××を用意してね~”と1週間くらい前に伝えると、じゃあ週末買い物行かなきゃ、あそこにあるかもね、という親子の会話が始まり、道具を揃え、授業に嬉しそうに持ってくる。この過程はほんとに子ども達の経験になった。
今じゃ“朝コンビニ行って買ってきなさい”って親が増え、子どもに何にもプラスにならない。」

この言葉に凄く唸り、今でもよく、保護者の方を前にして講演する際などには、先生の気持ちを代弁させていただいております。
#先生から話すのではなく、教育産業の人間が先生を代弁することで、「やっぱりそうかあ」と聴衆に思わせる効果があるようで、たまに講演呼ばれまして。

あの道具があるのはどこかなーと考える。
買いにいけるのは仕事のない週末しかない、と気づく。
親子に「どーしよーか、どーしよーか、ルンルン♪」という気分での会話が生まれる。
手に入れると嬉しさに変わる。

これが「自分で考えられる人間になる」ために、幼いうちになんども繰り返した方がいい体験の1つだと、強く思います。
知識そのものが大切なんじゃないんですよね。
感性を引き出すために、材料としての「ちょっとだけ知的なもの」を用意することが大切なわけで。

新聞記事にはこう続きます。

“Z会の幼児コースに付録がついているわけではない。「すべての材料をそろえるのではなく、買い物に行く体験が重要だ」と幼児教育事業課の須田宏幸課長は説明する。例えば料理。どんな手順で作ればよいかを絵などでは解説はしてあるが、材料は自分でそろえる。買い物がすでに勉強。親子で街に出れば、子供が興味を示す事柄は自然と増えるというわけだ。”

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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