岡崎市立図書館は相手が国外だったらどうするつもりだったのか?

2010.08.31

IT・WEB

岡崎市立図書館は相手が国外だったらどうするつもりだったのか?

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

今日は、何かあった際に恥をさらすような受け答えをしてしまわないための、Webに携わる人間としての心得を、不出来なシステムを棚に上げて逮捕者まで出した岡崎市立図書館の事件から考えてみましょう。

2010年5月に、愛知県の岡崎市立図書館のホームページに対して自作のプログラムでアクセスしていた男性が、サイバー攻撃を仕掛けたとして愛知県警に逮捕されたという前代未聞の出来事がありました。

ご存じない方のために何があったかを簡単に説明しましょう(この部分に関しては、朝日新聞の神田大介記者が取材して書かれた記事や、逮捕された男性による説明を参考にしています)。

男性は、岡崎市立図書館のホームページが使いにくいことから、新着図書の情報を集めるためのプログラムを作って動作させていました。ところが、岡崎市立図書館のホームページで使用していたシステムに不具合があったためにホームページにつながらなくなる現象が起き、それを受けた図書館側はサイバー攻撃であるとして愛知県警に相談。警察は業務妨害の容疑で男性を逮捕し、20日間勾留した結果、起訴猶予となりました。

ところが、男性の動かしていたプログラムは1秒間に1回程度、1回ずつ(並列アクセスなし)のアクセスしかしておらず、常識的なシステムならばこれで問題が発生するほうがおかしいレベル。実際に、朝日新聞が第三者機関の専門家に解析を依頼したところ、いずれも図書館側のシステムに不具合があり、男性のプログラムには違法性がないとの判断だったと報じられています

そして、岡崎市立図書館の館長は「(男性の自作プログラムに)違法性がないことは知っていたが、図書館に了解を求めることなく、繰り返しアクセスしたことが問題だ」と発言したと伝えられています。

ここはWeb担ですから、逮捕の妥当性やシステムの出来の悪さについて語ることはしません。ここで気にしたいのは、サイトの責任者が、インターネットがどういうものだと考えていて、そこにサイトを公開する意味をどう考えていたかです。

ネット上に公開した時点で、ネットのルールで全世界が相手になる

岡崎市立図書館は、同様のアクセスが国外からあったならば、どうしていたのでしょうか。警察を通して国際捜査を依頼していたのでしょうか。技術的に修正していたのでしょうか。それとも、あきらめてサービスを停止していたのでしょうか。

インターネット上にホームページを公開したら、その時点で、全世界からアクセスできる状態になります。つまり、アクセスしてくる相手は日本人とは限りません。法律やモラル(倫理観)は国によって違うものですから、インターネット上に公開した以上は、その利用を法律やモラルでコントロールできるとは期待するべきではありません。

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安田 英久

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