サイバーエージェントにおける創業戦略

2007.10.08

経営・マネジメント

サイバーエージェントにおける創業戦略

猪熊 篤史

池袋ビジネススクールで開催したオリジナル・ケーススタディを通して考えた、サイバーエージェントにおける成功のための創業戦略についてご紹介します。

→時の人である堀江氏との関係は今となってはグレーな印象を与えますが、藤田氏と堀江氏はお互いに切磋琢磨する形で事業を拡大してきました。経営者として間違った領域に踏み込まないように注意すること、基本的には、自分の限界や能力を見失わないことが大切ですが、知識、能力、経験を補ってくれる経営チームや事業パートナーが必要です。多くの一般消費者に支持されれば売上が上がって、事業は拡大しますが、やはり中心になる顧客や取引先などとのパートナーシップは欠かせません。

6. 財務・資金繰り
 創業期の運転資金をまかなう収入、あるいは、資本は欠かせません。サイバーエージェントの場合、小額決済用のプリペードカード(ウェブマネー)の営業請負契約(固定月額100万円)や売上が伸びても手数料の比率が改善せずに、結局自社システムを開発することになったもののクリック保証型の広告の売上などが創業初期の資金繰りに貢献していました。また、創業から2年という早さでマザーズに株式公開して225億円を調達できたことも見逃せない事実です。

→お金ありきではなかなか上手くいきません。それは大企業の新規事業が上手くいかない主な理由にもなっています。それでも、お金がなければ事業は始められませんし、事業拡大も望めません。経営者、経営チーム、事業の計画や戦略を基に最小限の資本を集めること、売上を上げること、また、事業成長のために必要な資本を集めることは欠かせません。人脈、金融機関、金融市場を上手く活用する必要があります。

【外的要因】

1. 市場の成長
 成長性が高い事業を選択することが重要です。サイバーエージェントの場合、目の付け所が良かった、先見性があったということも出来ます。急速に成長したインターネット市場を選択したことはサイバーエージェントが成功した要因になっています。しかし、インターネット関連企業でも失敗した企業が多かった中で、システム寄りの人材が多い新しい業界にあって営業やマーケティングに着目したことや、その分野に適した能力を持っていたことなどが成功要因として挙げられそうです。

→外的要因なのか内的要因なのかどちらとも言い難いのですが、成長する市場を自社の強みなどによってとらえることが大切です。

2. インターネットバブルと新興市場の誕生
 経済環境、社会環境、社会構造やシステムの状況も創業の成否に重大な影響を与えます。サイバーエージェントの場合、米国や日本におけるインターネット市場の拡大とそれに伴うインターネット株式の上昇、マザーズ市場やNASDAQ(現:ヘラクレス)などの新興市場の開設やそれに伴う上場基準の緩和という社会的環境の支援を受けています。また、勤務先(インテリジェンス)において優秀な若手社員によるベンチャーの実績を作りたいという思惑や、若手経営者の登場を期待する社会的なニーズもサイバーエージェントの成長を後押ししていたと言えそうです。

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