アサヒ Vs. キリン・オトナの炭酸戦略比較!

2010.07.10

営業・マーケティング

アサヒ Vs. キリン・オトナの炭酸戦略比較!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 景気低迷によって伸び悩む飲料業界唯一の光明、炭酸飲料カテゴリー。さらなる市場活性化のためにアサヒ飲料は「オトナ」を狙って、アサヒ飲料が仕掛けた「大人炭酸シリーズ」。まさかの氷室京介TV-CM出演、まさかのコーラカテゴリー参入という驚異の2段重ねで世間をあっと言わせた「グリーンコーラ」。それに続く第2弾が投入される。迎え撃つのは・・・

 「素材派コーラ」というキャッチフレーズで「アサヒ グリーンコーラ」が新発売されたのは4月のこと。植物由来原材料使用、着色料・カフェイン・保存料ゼロがウリだが、カロリーはゼロではない。自然な甘みの果糖を使用した味が好評だ。
 同社Webサイトでグリーンコーラの横で長らく謎のベールに包まれていた「大人炭酸」の第2弾は辛口ジンジャーの「アサヒ ドライスパークリング」。13日の発売だという。今回も「大人、はじける。」のキャッチコピーでライブばりに氷室京介が派手なアクションをキメるというから必見だ。しかし、注目はCMばかりではない。今度は<甘さを控えめにし、辛口ジンジャーの味わいと強めの炭酸で刺激を高めた炭酸飲料で、カロリーゼロ、糖類ゼロです>とよりオトナな味わいに仕上げているようだ。
 それを迎え撃つのはキリンビバレッジである。同じオトナ狙いで「大人のキリンレモン」を4月に発売。そして今月、「キリン メッツ ワイルドチャージ」が発売された。

グリーンコーラ&ドライスパークリング Vs. 大人のキリンレモン&メッツ ワイルドチャージというこのタッグマッチ、双方の必殺技にはそれぞれ特徴があるようだ。
 まず、グリーンコーラ&ドライスパークリングのアサヒ飲料組は、<黒ビール製造の技術を活用し、黒麦芽を使用することで、コーラ飲料の特徴である力強い味わいを実現>と<プロのバーテンダーを中心に飲食業界において高い認知度と支持を得ている炭酸飲料『ウィルキンソン ジンジャエール』で得たノウハウによって、辛口ジンジャーの刺激のある味わいを実現>と、アルコール飲料メーカーグループらしい「味」での一本勝負だ。
 対する大人のキリンレモン&メッツ ワイルドチャージのキリンビバレッジ組みは<健康成分「回復系アミノ酸オルニチン、クエン酸、ビタミンB6」配合の元気炭酸>と<元気系アミノ酸アルギニン・ビタミンB6配合>という元気回復成分配合で勝負する。
 双方の戦い方はブランドの用い方も特徴的だ。アサヒ飲料は全くの新ブランドで挑戦。キリンビバレッジは80年以上の歴史を持つ「キリンレモン」ブランドと、アメリカンテイストを演出して1979年に登場した「メッツ」ブランドを投入している。

 ターゲットは「オトナ」といっても実際には幅広い。双方の差異はターゲット設定にも現れているようだ。
 アサヒ飲料のニュースリリースによると<ここ数年で20-30代の炭酸飲料の飲用比率が上昇し、嗜好品として炭酸飲料を楽しむ方が増えてきていることが分かりました。この傾向から、大人が満足できるような新しい価値を提案する炭酸飲料商品を“大人炭酸シリーズ”として発売することにしました>とシリーズ展開の意図を発表している。
 一方のキリンビバレッジはメッツ ワイルドチャージのニュースリリースにおいて、<炭酸飲料市場は近年伸長を続けており、ここ3年間では特に「ゼロ」タイプが拡大し、30~40代の大人層の飲用が大幅に増加しています。また、30~40代男性の健康に対する意識において、「カロリー」「疲労回復」に関心が高いことが分かりました>としている。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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