岡田ジャパンのチームづくりに学ぶ強いチームとは?

2010.06.27

組織・人材

岡田ジャパンのチームづくりに学ぶ強いチームとは?

松本 真治
有限会社ワースプランニング 代表取締役

 岡田ジャパンが遂に決勝トーナメントへの進出を勝ち取った。政治、経済、社会、何かと暗いニュースが多かった最近の日本ではあるが、その様な暗雲を払しょくするような快挙である。前評判が芳しくなかっただけに、喜びもひとしおである。最初の勝利では、海外メディアの酷評も目立ったが、さすがに今回は海外メディアの評価も概ね良好である。真のチーム力なのか、それとも幸運のなせる技なのか?

 サッカーはあらゆるスポーツの中でも突出してチーム力が結果に大きく影響するスポーツである。何気なく見ているサッカーも緻密に組まれた布陣が勝負の行方を左右することが多い。要するに、サッカー技術に長けた選手だけを集めれば最強のチームになるわけではない。それぞれの個性を活かし合うような相乗効果を生み出すチームメンバーの構成が組めるか否かが重要になってくる。

 岡田監督は、大会直前にチームづくりの方針をがらりと変えたのである。それまでは中村俊輔を軸にパスをつなぐ攻撃重視の布陣であったのが、今大会では、阿部を守備ラインの前にアンカーとして置き、守りを重視しながらも個性の強い本田をトップに置く布陣をとった。敵前で隊列を変えるようなリスクもあるチャレンジングな布陣である。

 結果良ければすべて良し、とは言うが、これは、テストマッチ4連敗の課題から戦略的に生み出した布陣であり、メンバーの個性をうまく活用した布陣である。最強のチームが出来上がったといっても過言ではない。

 チームは、4つの段階を経て成長・発展していくと言われている。第一段階は、フォーミングと言い、お互いのメンバーがそれぞれの力量を見極めようとする様子見の段階である。第二段階は、ストーミングと言い、個々が意見を出し行動するがまとまりがない状態で、個性がぶつかりあう段階である。実はここまでは自動的に進行する。当然、ここまでの段階では、チームのシナジー(相乗効果)は生み出されていないのである。

 そして、第三段階は、ノーミングと言い、メンバーがそれぞれの役割を認識し、一つの方向に向かう、チームとして機能する段階である。この段階に至って初めてシナジー(相乗効果)が生み出される。さらに、この状態が加速すると、最終段階である第四段階、トランスフォーミングと言われる段階に至る。信頼関係が強固にでき、協働意志が強い最強チームが出来上がった状態である。

 サッカーでも、チーム状態が良くない時は、第三段階に入りかけると、個人プレーが出だし、チームとしてのシナジーを生み出せない状態、要するに、得点を積み重ねられず、守りも脆く得点を取られやすくなる。今回の日本チームは間違いなく第四段階に至っている。

 この第四段階に至るには、技術力や行動力をもとにビジョンを共有し勝利という目標に向かっていくことだけでなく、メンバー同士がお互いに配慮し、信頼し合うことによるリレーションの高まりがもたらすエネルギーの結集が機能してくるかが重要なポイントになる。このような組織の2つの機能をパフォーマンスとメンテナンスと言う。成果を追い求めるとき、パフォーマンスに注目しがちであるが、継続したパフォーマンスを生み出すためには、実は、メンテナンスが非常に重要になってくる。

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松本 真治

有限会社ワースプランニング 代表取締役

人材・組織開発コンサルタント。 人材・組織の潜在力を引き出すアセスメント(サーベイ)の企画/開発/運用から本質的課題を抽出し、課題解決のための最適なソリューション(研修・教育プログラム)の設計/運営までのコンサルティング・サービスを展開中。 人/組織が本来持ち備えている力(潜在力)を引き出し、人/組織が自律的で持続的な成長を遂げていく支援をさせていただいています。

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