企業が考えるべき「事件」と「事故」の違いと対応

2010.06.25

経営・マネジメント

企業が考えるべき「事件」と「事故」の違いと対応

荒川 大

先日、自動車メーカーの工場内で痛ましい事件が発生しました。そこから考えておきたい企業が対応すべき「事件」と「事故」の違いと対応方針について。

2.事件を再発させないためには、社内ルールの見直しや管理職に対する日々のマネジメント行動の強化、社内連絡体制の構築を見直していく必要がある。

3.通勤途中の事故や事件も心配なので、最寄駅から会社までは全社員を送迎バスで輸送する。

4.事件はいつどこで発生するか分からないので、社内ルールの徹底だけを行い、あとは事後対応だけを強化していく。

この4パターンだけで考えても、取締役の方々や幹部・管理職の方々が同時に同じものを選ぶことはないでしょう。個々人によって対応のレベルは異なるということを共有することが大切なのです。

尚、今回の事件は、従業員1名の尊い命が失われていますので、コスト以上の影響を考慮して管理強化に向かうと思われます。

しかし、管理コストには上限がありますし、会社の置かれている環境や、ステークホルダーからの見られ方、安全衛生に対する業界的、一般的な取り組み事案などをかんがみて、積極的な方策は取れても過剰な対応はできないものと思います。

こういった内容について、社内の会議体で検討することはあまりないと思いますし、総務部門の責任者が情報収集し、会社の決定として取りまとめていくことになりますが、本当に必要なのは、こういった事件に対して、幹部・管理職の方々がどれだけ当事者意識を持って1度は考えてみたのかが重要になります。

事件・事故の発生は避けられなくても、事件・事故の火種となる事案の発生は、幹部・管理職の日々の行動で回避していくことは不可能ではありません。

ですので、リスク・センスについては、個人的に生命保険をかけている方だけでも、自分自身のキャリアに対する保険、会社が自身の定年まで発展していく保険として、会社全体として考えていく必要があると思います。

◆ 社内に犯罪者はいない。でも今の行動で生み出しているかもしれない。

最後に、働こうとしている方や働いている方が、潜在的に加害者であることはほとんど皆無です。企業の経営管理、人員管理によって、従業員の考えや価値観が変化していくことしかありません。

企業として、組織運営上のリスクを回避したいと考えるのであれば、それは今やるべきことだけで十分対応ができるものですし、幹部・管理職の方々には、ネガティブな方向のものであっても想像力を駆使して、あらゆるリスクに対応していく心構えをお持ち頂ければと思います。

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