「若手社員を叱る。」その時に上司は、何を考えるべきか。

2010.06.02

組織・人材

「若手社員を叱る。」その時に上司は、何を考えるべきか。

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

「何を叱り」「何を褒めるか」とモチベーションとの関係について。

失敗した人を叱るときには、「アホか」「センスないなあ」などと言わずに、「もうひと踏ん張りしたら良かったのに」とか「少し工夫が足らなかったんじゃないか」となどと言うほうが良い。成功したり、うまくいった人を褒めるときには、「よく努力したなあ」「積み重ねが実ったね」などと言うよりも、「あったまイイねえ」「やっぱり素質あるよなあ」というように言うのが良いそうです。

社会心理学者のワイナーは「成功と失敗の原因を何に求めるか」ということと、「動機付け」の関係から、このことを説明しています。

成功や失敗の原因のうち、自分でコントロールできて、安定している原因は「能力」。自分でコントロールできるが、一定レベルをキープしにくい原因は「努力」。自分でコントロールできないけれど、安定している原因は「課題の難易度」。自分でコントロールできない上に、不安定な原因は「運」。というように成功や失敗の原因を整理し、上司として部下に対して、何を褒め、何の反省を求めれば良いかを考えると、「仕事の成功を褒めるときには本人の能力を褒め、失敗の反省を促す際には本人の投入した努力の量と質について内省を促す」ことが重要であると言っています。失敗したら『努力不足ややり方』を叱る、成功したら『才能や能力』を褒めるのがコツであるということです。

ところが、実際には逆をやってしまうことが多い。つまり、失敗すると『才能』を叱る、成功したら『努力』を褒める。才能を叱ってしまうと、ダメという烙印を押されたように感じさせてしまうので「もうちょっと頑張ったら出来るはず」とは思わないでしょうし、努力を褒めても、頑張ったからだと言われているのですから「オレってスゴイかも・・」というような気持ちの高揚は生まれません。

とは言え振り返れば、昔の上司はほとんど逆をやっていたように思います。失敗したら「アホ、ボケ、カス」とその能力をけなすような発言が多かったですし、成功しても「やるじゃん」「やるやるとは思ってたけどなあ」とかよく意味の分からない言葉くらい。私などアホ・ボケ・カス以下ということでミジンコと言われていましたが、それでも「今日から名前で呼んでやろう」といわれてちょっと嬉しかったり、「やるじゃん」の一言でも十分やる気になったりしたもので、叱り方・褒め方を考えないといけないのは世代の差と言うしかないのでしょうか。仮に今の若い世代が、上司の叱る・褒めるに昔より敏感だとすると、上司として努力を叱り、才能を褒める方式に変えてみるのも一つの方法かもしれません。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」理事長/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革・健康経営など)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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