起業講座4:ASPアワード2010に選ばれたサービス(2)

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

■シェアNo.1のサービスをつくる
 森氏は、SCTV社のサービスを、リアルとネットを比較しながら次のように説明した。

「リアルの商売、例えば店舗での物品販売では、『品揃え』『立地条件・内装』『接客(販売技術)』によって売上や収益に大きな違いが出ます。ネットの商売でも全く同じです。リアルでもネットでも『品揃え』が一番重要なファクターです。そして、ネットで『立地条件・内容』にあたるのがSEO、SEMやWeb広告、そしてサイトデザインだと思います。では、ネット上での『接客』はどうでしょうか?私は、ネットのビジネスで一番欠けているのが『接客サービス』、つまり“おもてなしの精神”だと考えています。『豊かなネット社会を創る』という私たちのビジョンを考えたときに、この『接客』や“おもてなし”の機能を自動的に提供することでビジョンを実現したいと考えました。」

 SCTV社の商品では、お店(ネットショップやWebサイト)に来られた(アクセスしてきた)お客様に対して、適切な目的にあわせて的確な誘導をし、魅力的に商品を案内して、お買い上げいただくところまでをサポートしている。それを『ナビキャスト』『ベストセールス24』『クイックウェブセミナー』『ナビキャスト フォームアシスト』という商品群で実現している。

参考(デモ)
ベストセールス24』 
クイックウェブセミナー』 

「3年以上かかりましたけども2009年12月時点で『ナビキャスト』は180社、Web動画制作は年間280タイトル以上、『ナビキャスト フォームアシスト』は470フォームという実績を作ることが出来ました。特にナビキャスト フォームアシストがEFOのシェアNo.1になり、また特許の取得もできたことで、すべての商品の営業が非常にしやすくなりました。」

 何でも良いので「No.1」の商品を持つと、その後のビジネスが非常に展開しやすくなると森氏はいう。今はNo.1の『ナビキャスト フォームアシスト』を起点に、その他の動画サービスや誘導案内サービス、あるいは携帯サービスなどへのアップセルやクロスセルが広がっているという。

■実績は自分たちで作る
 森氏は、起業後は営業がポイントになると語った。
「最初、販売代理店さんに売ってもらうことを前提とした事業計画を作りました。ところが、はじめは売ってくれません。当たり前ですけど、実績がないものを担ぐわけがない。まずは直接販売で、ある程度実績をつくらないと代理店さんは見向きもしてくれないなと強く思いました。」

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