起業講座4:ASPアワード2010に選ばれたサービス(1)

2010.03.17

経営・マネジメント

起業講座4:ASPアワード2010に選ばれたサービス(1)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

 しかし、森氏は満を持して起業したのではないという。
入社3年目で担当していた事業が撤退となった。森氏にとっては思い入れのある仕事であったため、その後、部署を異動になってもその仕事にこだわり、形を変えながら続けていたという。しかし、遂に8年目その仕事を続ける居場所は完全になくなることとなった。

 「もちろん準備をして起業される方もいらっしゃると思います。しかし、意外と起業とは別のことがトリガーになって、自分が追い込まれて、否応無しにむくむくっと起業家精神が涌いてきて起業するというケースも多いのではないかと、私は思っています。」

 その後、森氏は同じリクルート出身の先輩が1996年に設立した有限会社フューチャーワークスの代表取締役に就任する。実はリクルートでは、森氏が辞めた半年後から、退職時に1,000万円の独立支援金が出る制度が出来た。その制度を利用することはできなかったが、持株会を通じて購入していた株式を売却してフューチャーワークスの株式をすべて買い取り、資本金を1,000万円に増資した。当時は、IT企業向けのセールスプロモーションを行う会社だった。

 「辞めてしばらくは右往左往していましたが、独立2年目の時に自分はこの会社で何をするのか?何を目指すのか?ということを真剣に考えるようになりました。その時、入社当時リクルートのテレビCMで使われていた“情報が人間を熱くする”という言葉を思い起こしていました。その言葉が本当に心に残っていたからです。実は表に出すのは恥ずかしいのですが、リクルート時代のものを参考にしながら、自分なりに企業理念を文章にまとめてみました。企業理念は絶対に明文化したほうが良いですね。これがあると、へこんだり、心が折れそうなときに自分自身を鼓舞することができます。また、仲間を増やす時に真剣に理念を説明すると、想いが伝わるんです。本当に心に残る言葉や心が動いた部分を大事にしながら、少し気恥ずかしい言葉でも企業理念を作っておくことが、起業には必要だと思います。」

■脱下請け会社への強い想い
 森氏は、リクルート時代に培った営業力を活かし、とにかく業界No.1の企業から順に営業をしたという。森氏は、当時を次のように振り返る。

 「当時、私が担当していたお客様はIBM、NEC、富士通、日立といった大手コンピュータメーカーでした。その経験を活かして、IT企業向けのセールスプロモーション事業を行っていました。独立した当時は、小さい会社だからこそ“ダメもと”で、とにかくNo1企業狙いで営業に行こうと考えていました。通信機器の分野ではシスコシステムズ、ソフトウェアではマイクロソフト、国内の通信キャリアではNTTコミュケーションズなどです。大手から順に営業をかけ、とにかく何でもやりますというスタンスで仕事をとるというスタイルが4~5年ほど続きました。」

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