起業講座2:情報流通はマスメディアからユニメディアへ(1)

2010.02.22

経営・マネジメント

起業講座2:情報流通はマスメディアからユニメディアへ(1)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

「このまま残って5~6年頑張るという選択肢もあったんですが、起業して3年でつぶしたとしても30歳までに2回チャレンジできる方が良いと思いました。ベンチャー企業で働いたことによって、生き残っていけるという自信もありました。仮に失敗しても、若ければいくらでもやり直しができるし、思い切ってやった方が良いと思い、卒業してすぐに起業しようと決めました。」

■高粗利の事業を選ぶ
末田氏がユニメディアを設立したのは、2001年4月20日。資本金300万円、有限会社からのスタートだった。当初から、個人単位で情報を効率よく配信する情報流通を事業の核にしようと構想していたという。

末田氏は、PC版とモバイル版の懸賞サイトを始めようと決めた。
「当時の懸賞DMは、収益性も広告効果も高かったんです。既に、先駆者として、エルゴブレインズ社やGMO社など多くの企業が参入していました。とは言え、会員数はまだ30万~100万人規模でしたので、まったく歯がたたないという状況でもありませんでした。他社では、会員を1人あたり300円前後で集客し、1通10円~20円の広告メールを月に20通前後配信していました。2ヶ月目には広告費を回収し、利益が上がるという高粗利のビジネスでした。」

「競合を良く分析した上で、働かせてもらっていたベンチャー企業で実感した『ネットビジネス失敗企業に見られる共通項』を頭に入れつつ、どのようにして立ち上げたら良いか知恵を絞りました。」





■事業立ち上げには緻密な設計が必要
限られた資本のなかで、どのようにサービスを立ち上げたのだろうか。具体的に実践したこととして、次の5つのことを挙げた。

(1)システム投資を極限まで下げる
「システムを作れる学生をインターネットで探しました。自らもデザインやHTMLまで作って、システムのプログラム部分だけを依頼するようにしました。システム会社に依頼すれば、数千万円はかかると思われるものを25万円で構築できました。」

(2) 広告投資を変動費化させる
「当時の携帯電話の販売方法を参考にしました(※1)。レベニューシェアでサイトオーナーにユーザーを集めてもらう仕組みを作り、独自アドネットワークを構築しました。こうしたことで、広告に初期投資をせずに、サイトオープンから3ヶ月で約10万人の会員を獲得することができました。」

※1 携帯電話の販売会社は、新規契約を獲得すると、月額の通話料から一定割合をインセンティブ(報奨金)として受け取ることができた。末田氏は、この仕組みを応用して、ユニメディアのパートナーになったサイトオーナーが、新規のユーザーを獲得した場合、獲得した時点で報酬を支払うのではなく、ユーザーによって得られた売上の一部を還元するという仕組みを考案した。

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