もしかして……“採用ミス”と呼ばれていませんか

2010.02.22

組織・人材

もしかして……“採用ミス”と呼ばれていませんか

ITmedia ビジネスオンライン
“ニュースを考える、ビジネスモデルを知る” ITmedia 編集部

会社で“採用ミス”という言葉を聞いたことがある人も多いのでは。会社が期待したほどの実績を残せていない人のことを指すケースが多いが、このようなレッテルを貼られないようにするためにはどのようにすればいいのか。2人の専門家に話を聞いた。 [吉田典史,Business Media 誠]

 「学生のころは5段階評価の場合、ある教科で1がついたとしても、ほかの教科で4や5をとることで総合点を高くし、挽回することが可能です。しかし、会社員は1があってはダメだと思いますよ。新卒で入社して数年間は、今後、プロになっていくうえでの入門の段階。ここでは、平均点を高くすることも大切ですが、あまりにひどい点数を取ることも好ましくありません。このような考えで仕事に臨むことができるかどうかです」

 確かに会社の人事評価は一見すると、学生時代の5段階方式と重なるものがあるかもしれない。しかし、実際は小岩氏の指摘するように双方には隔たりがある。これは私の見解だが、評価項目の中で「協調性」で1がつくような人は、職場ではひんしゅくを買っているはず。当然、周囲との人間関係もぎくしゃくしているだろう。そのような中で、ほかの項目の評価を上げることができるのだろうか。それはできないに違いない。決して大学受験のように1人で黙々と勉強をすれば、なんとかなるというものでないのだ。

 小岩氏は、中途採用で入社した人が“採用ミス”と評価を受けないためには、自分の仕事の進ちょく(プロセス)を上司や周囲に理解してもらえるように、タイミングよく見せることを勧めている。

 「上司からすると、プロセスを知ることで教えることもできるのです。中途採用で入社した人は早く成果を出そうと焦ったりして仕事を抱え込んでしまうことがあります。『あの人は何をやっているか分からない』と思われないようにするべきでしょう」

 最後に、小岩氏はこう締めくくった。

 「会社の規模にもよりますが、20~30代前半くらいまでの人をどう評価し、どのように扱うかは、上司の考えによるものが大きいと思います。極論ですが、辞めさせるというときも、上司の判断が大きいでしょう。これが中高年の管理職層になると、上司の意向だけではなく、経営陣の考えなどにも影響されます。例えば、リストラをする場合などがその象徴でしょうね。若い人はこのあたりを心得て、上司と接するとよいのではないでしょうか」

 これは会社の裏側を知る人の生々しいコメントであり、的をついた指摘であるので、機会をあらためて取り上げたい。ところで、あなたの職場に“採用ミス”の人はいないだろうか。

【著書】
非正社員から正社員になる!』(光文社)
年収1000万円!稼ぐ「ライター」の仕事術』(同文舘出版)
あの日、「負け組社員」になった…他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)など。
【ブログ】「吉田典史の編集部

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