顧客の「不」、素直に聞けますか

2007.09.18

営業・マーケティング

顧客の「不」、素直に聞けますか

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

「こうすると必ず売れる」。伊吹卓氏の『なぜ売れるのか』には、こんな にも刺激的な一文がある。伊吹氏によれば、必ず売れるようにするための 方法は二つある。苦情法と着眼法の二つだ。

にもかかわらず、実際に伊吹氏のいう「苦情法」を実践しているところは
少ない。なぜか。これは人間の基本的心理に関わる問題だからだ。単純に
言えば「苦情」を聞くのはとてもしんどい。気が滅入る憂鬱な作業でもあ
る。誰だって、そんなことは積極的にやりたいとは思わない。これである。

しかし、ここで発想を逆転できるかどうかが、勝負の分かれ目になる。誰
もがやりたくないことだから「誰もやらないんだったら、うちもやめとこ
うよ、きっと、他にもっといいやり方があるからさ」と付和雷同的に流さ
れてしまうのか、それとも誰もがやりたくないことだから「誰もやらない
んだったら、競争相手が少なくていいじゃん。いっちょうやってみよう」
とポジティブに捉えるのか。

クライアントにわざわざ自社に対する苦情を聞くなんて?、と考えている
経営者の方も多いかもしれない。この「?」の部分には、自社の製品に欠
点があることを自分から認めてどうするんだとか、そんなことをわざわざ
クライアントに聞くのは失礼に当たるだろうとか、あるいはクライアント
がいちいちそこまで教えてくれるわけがないとか、いろんな言い訳を思い
浮かべているはずだ。

視点を換えて、顧客の側から考えればどうか。

仮にBtoBの場合ならクライアントが求めているのは、よりよい製品を、
より安価に、より効率的にといった経済合理性に尽きる。それをサポート
するためにあえて自社の「不」を教えてほしいといわれればどう思うだろ
うか。その態度を評価こそすれ、ネガティブな評価を下すことなどまずな
いはずだ。

実際、ある産業機械メーカーの依頼を受けて、代理店や商社にインタビュ
ーをしたときなどは「よくぞ、聞いてくれました」といった反応ばかりだ
った。たとえば販促ツールについて、あるいはセミナー展開について、通
常業務での役割分担について、製品の改善ポイントについて「もっとこう
してくれたいいのに」「あれもやってもらえると助かる」といった話のオ
ンパレードである。

こうした要望(不の裏返しは顧客の要望である)は同行していた当のメー
カーの営業さんにとっても、とても新鮮だったようだ。

チェーン展開しているフィットネスクラブにも、しつこいぐらいに退会者
に対する追跡調査を提案し続けたことがある。ほぼ一年間、手を替え品を
替えて提案したが採用されなかった。そんなことを聞いて「店長やスタッ
フに問題があるとでもいわれたらどうするんだ!」という店長サイドの強
い抵抗にあったためだ。

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