東洋インキ製造も本格展開するMFCAは真の環境経営への入り口

2009.12.17

経営・マネジメント

東洋インキ製造も本格展開するMFCAは真の環境経営への入り口

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

東洋インキ製造は、2010年から、MFCA(マテリアルフローコスト会計)を生産部門や研究部門へ本格展開するとの事です。 MFCAは、設備やシステム投資が不要にも関わらず、非常にパワフルな環境経営の実践手法ですので、ここで簡単にご紹介します。

加えて、MFCAの導入に必要なのは、基本的には、これまでの歩留管理から、そこで許容されていたロスをコストとして細かく認識するという着眼点の転換だけです。

全社で全面的に展開するには工程毎のロスの認識、計上、集計ができるよう設備やITに投資する必要があるかもしれません。ただ、導入初期の段階では、設備やITへの投資はせずに、集められるデータだけで、工程毎のロスを別に積み上げてみるだけで、多くのムダが発見できるものです。

そこで得られた改善機会からの成果で、どれだけ設備やITに投資すべきかが明らかになります。このように、MFCAを用いてムダを金額で把握する事には、改善にどれかでの予算を掛けられるかを明らかにする事で、具体的なアクションにつなげられるとう副次的効果もあります。

東洋インキ製造では、2008年11月から川越製造所のプラスチック用着色剤の生産部門でMFCAを試験的に適用、その後電子メディア材料などを生産する守山製造所の一部部門に展開、いずれの取り組みでも、廃棄物コストが顕在化し有効な現場改善策を導き出すのに役立った事から、「環境対策とコスト削減を促進する全社共通の指標として利用できる」(松山茂樹常務取締役生産物流本部本部長)と判断、水平展開を決めたとの事です。

このように、小さく始めて大きく育てる事ができるのは、MFCAの一つの強みではないかと思います。あなたも、できる所でMFCAの試みを始められてはいかがでしょう?

※以上は、掲載企業からの情報や一般に公開されている情報を基に、参考情報として、弊社の視点で編集したものです。掲載企業との取引や契約については、あなたの判断に基づき行って下さい。掲載企業との取引や契約についてのトラブルについては、弊社では一切責任を負いませんので、あらかじめご了承下さい。

※本稿は、弊社が発刊している「環境調達.com」の記事を編集・加工したものです。「環境調達.com」は、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例などを紹介しています。貴社の事業、製品、サービス、オペレーション開発の参考にして頂ければ幸いです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、www.samuraisourcing.com/service/green/green/greensourcingcom.html にて行えます。)

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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