日本初、市民病院、民間移譲実現への道のり 第1回

2009.10.06

開発秘話

日本初、市民病院、民間移譲実現への道のり 第1回

INSIGHT NOW! 編集部
クイックウィンズ株式会社

全国で市民病院問題が噴出している。すでに廃止を決めた自治体、大幅な規模縮小を図る自治体がある。そんな中、民間移譲での再生を企画、自ら再選挙に打って出ることで信を問い、強力に改革を進めているのが樋渡武雄市長だ。その革新的な改革プロセスを紹介する。

第1回 「降ってわいた市民病院問題」

■市長、あんたバカじゃないのか

「忘れもしません、あれは市長になって2ヶ月後でした。企画部の部長が深刻な顔してやってきて『市民病院がガンだ、もう持たないって』いきなり告げられたんです」

2006年、当時36歳だった樋渡啓祐氏は、全国最年少市長として注目を集めた。樋渡氏は地方都市武雄の復興を公約に掲げて当選したが、市民病院に関しては問題があることすら知らなかったという。

「病院問題なんて僕の中ではプライオリティゼロですよ。聞いてみたら、確かに累積赤字が5億3000万円ぐらいになってる。とはいえ一般会計への影響はまだない。それだったら良いじゃないかと答えたら、あんたバカじゃないかって責められたんです」

企画部長の真意は、手遅れになる前の治療の必要性をアピールすることにあった。なるほどガンならば体力のあるうちに思い切って手術すれば、まだ回復の可能性はある。

「言われてみれば正論。早期発見早期治療、体力の残っている今、舵を切るのが市長の仕事でしょうとたたみ込まれました。もっともな意見なんだけれど、何でその役目が僕なのって思いましたよ、正直なところ」

就任間もない新市長に病院問題の深層がわかるべくもない。そもそも樋渡氏は、市民病院のガバナンスが誰にあるのかさえ知らなかったという。

「部長に尋ねたら、あなただって。いきなり言われてもね、僕には病院のガバナンスは無理ですよ、そんなのやったことないんだから。ともかく市民病院に大変な問題があることは理解しました。すぐに手を付けないとダメなこともわかりました。そこで一つ不思議に思ったのは、どうしてこんなになるまで放置されてきたのか。誰だって疑問に思いますよね」

ちょうど同じ頃、全国の公立病院で同じような問題がわき起こっていた。それから3年の時を経て、中には病院閉鎖に至る自治体があり、あるいは大幅な規模縮小に走ったところもある。では、なぜ時期を同じくして市民病院問題が全国で表面化したのだろうか。その背景には構造的な問題があったのだ。

(樋渡武雄市長と竹林氏の対談風景)
                               
       
■押しつけられた負の遺産

「そもそも武雄の場合はスタート時点から問題を抱えていたのですよ。国が面倒を見きれなくなった国立療養所を引き継いだんだから。そこにとどめを刺したのが2004年度に導入された『新臨床研修制度』でしょうね」

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