「ペプシあずき」の味を大胆予測する!

2009.10.01

営業・マーケティング

「ペプシあずき」の味を大胆予測する!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 3年ほど前から好例となっている期間限定の「変わり種ペプシ」。10月20日に、今度は「あずき」味が発売されると報道され、ネット上ではブログやSNSで早くも大きな話題になっている。その戦略の意味合いから考察して、一足お先に、そのお味を予測してみたい。

 変わり種ペプシが大きな話題となってブレイクしたのは2007年夏、キュウリ味の「ペプシアイスキューカンバー」からであるといっていいだろう。どこか青臭く、うす甘い味わいは「オイシイ!」というよりは不思議・・・というか、何ともオソロシイ味であった。その味にネット上は阿鼻叫喚の巷と化した・・・というのは大げさであるが、ちょうどブログやSNSのユーザーがうなぎ登りの時期であったことも手伝ってかなりの話題になったのは事実だ。
 翌2008年夏は同名のカクテルの青を模した「ペプシブルーハワイ」。パイナップル風味は随分と甘味が強く感じられ、キューカンバーほどではないものの、クセは強かった。続いて同年、秋口から冬にかけて登場したヨーグルト味の「ペプシホワイト」は、甘みの強い傾向はそのままに、随分とクセがなくなって、普通にオイシく飲める味に仕上がっていた。
 そして、今年夏のしそ風味の「ペプシしそ」。甘さの強い傾向は引き継がれた。しその香りと甘みが合うと感じるか否かで好みが分かれたが、多くのファンを獲得したのも事実であり、メディアによると「約30万ケースを売り上げた」とのことである。

 ペプシが変わり種コーラを出すのは、チャレンジャーの戦略の基本・差別化戦略である。リーダーであるコカ・コーラが「すかっと爽やか(ちょっと古い表現)」というポジションからは言えないメッセージを発信する。「理論の自縛化」という戦術で、リーダー企業が同じ手を打ってくる「同質化」を回避する戦略である。「目新しいことを常にペプシはやっているんだ!」とのメッセージだ。そもそも、今日当り前になっていて、コカ・コーラからもすっかり同質化されているが、コーラにレモンフレーバーを導入したのはペプシが最初であり、変わり種コーラはその極端な発展形であると考えることもできるのである。

 さて、「ペプシあずき」の販売目標は20万ケースであると報じられていたが、「しそ」の30万ケースも含めて、それは一体どれくらいインパクトのある数字なのかを考えてみる。ペプシを販売するサントリーが2009年に目標としている、全ペプシブランドの目標販売数は3000万ケースである。(2009年1月20日リリース「2009年サントリー食品事業方針」より)。つまり、数字的には全体の1%程度を稼ぐにすぎないのだが、その戦略的な意味合いは大きいと考えられる。

 マーケティングの4P的に考えてみよう。製品(Product)は、見た目から変わったインパクトのある商品だ。それがどのようなところで活きるのか。価格(Price)は、通常の商品と変わらない。広告宣伝(Promotion)はどうかというと、変わり種コーラに関する広告宣伝はマスメディアでも、インターネット広告でもほとんどなされていない。もっぱら、ニュースリリースからのクチコミで勝手に盛り上がる。(当記事も含めて)。これほど安上がりなプロモーションはない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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