「博多 一風堂」河原成美物語3 何を変え、何を守ってきたのか?

2009.09.18

経営・マネジメント

「博多 一風堂」河原成美物語3 何を変え、何を守ってきたのか?

ITmedia ビジネスオンライン
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人気ラーメン店「博多 一風堂」を展開する河原成美さん。長年にわたって日本のラーメン界をリードしてきた男の経営哲学は「変わらないために変わり続ける」こと。この経営哲学を通じて、一体何を実現してきたのだろうか? [嶋田淑之,Business Media 誠]

 人気ラーメン店「博多一風堂」(以下、一風堂)を国内外に約40店舗展開する河原成美さん(株式会社力の源カンパニー代表取締役、56歳)。「五行」を初めとするさまざまな業態の店舗展開も成功させ、長年にわたって日本のラーメン界のリーダーの1人として活躍している。

 「博多 一風堂」河原成美物語1・2では地位・名誉はもとより、食べることにすら執着しない、仏教的とも言える河原さんの「男の美学」。彼がどのような状況の中で何を思ってこの道に入ったのか、その原点の想い、そして、一風堂1号店をオープンしてから現在に至るまでの彼の想い、などをお伝えした。

 この「博多 一風堂」河原成美物語3~5では「河原さんと言えばこれ」と言われるほど著名な「変わらないために変わり続ける」という経営哲学について紹介したい。この経営哲学を通じて、彼は一体何を実現してきたのか?そして、これから何を実現しようとするのか? さらには、この経営哲学を貫徹するために、彼の率いる力の源カンパニーをどのように導いてきたのか? 彼の経営の根幹に関わるこの部分について明らかにしていきたいと思う。

変わらないために変わり続ける


 「一風堂の1号店をオープンするに先立ち、東京・荻窪にある老舗ラーメン店の春木屋を訪れました。僕はそこで、初代店主の今村五男さんの経営理念と出会いすっかり魅了されたんです。

 『変わらない味と言われるためには、常に味を向上させなければいけない。ベースになる味は変えず、お客様の舌がおいしいと感じる一歩上の味を出し続けることがおいしいと言われる秘訣(ひけつ)である』

 僕はこれを信じ、いまも自ら守っているんですよ」

 企業経営者としての河原さんの洞察力の鋭さを感じさせるエピソードであるが、彼のこの思いは、その後、河原さんが関心を寄せる仏教哲学の次の言葉との出会いによって、自らの哲学として昇華されていく。

 「40歳のころ、仏教用語の“有恒(ゆうこう)”、そしてまた“無常”と出会いました。無常とは、万物は流転するということですね。それに対して有恒は『ただ、有り続ける』ということです。一見すると両者は相反するようにも見えるでしょ!? でもね、実は同じことなのです。変化の激しい中で『ただ、有り続ける』ためには、その内部では絶え間ない変化が必要だという意味が込められているんです」

 河原さんが自らの経営哲学として常日頃口にする「変わらないために変わり続ける」は、まさに、ここから誕生したのである。

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