なぜ開票率1%で当確が出るのか?

2009.08.30

組織・人材

なぜ開票率1%で当確が出るのか?

葛西 伸一
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

国政選挙の時期になりました。 選挙当日は、ニュース速報や選挙特番で「○○区の××××氏が開票率1%で当選確実」などというニュースが流れます。 一体これはどういことなのでしょうか? なぜたった1%の開票だけで、当確なんて言えるのでしょうか? それは、統計学を少し知るとカラクリがわかってくるのです。

オプション機能)を使って瞬時に計算できますので、挑戦してみたい方は、

エクセル統計などの本で勉強することをお勧めします。

ちなみに、選挙の他にも、統計学を使うと今まで見えなかったいろんなことが、わかってきます。

いくつか事例をあげてみますが、ある会社の営業部門の部長が課長に対して、

「君の営業課の売上が上がらないのは、営業担当が外出しないで社内をウロウロしているからだ!」

と言ってきたとします。

そこで、本当にそうなのかな・・・と統計を使って、営業担当の

外出頻度に対して、結果である商談発生件数、売上などとの相関性を図ることで、

関連性が高そうか、低そうかということを数字で表すことができます。

また、広告を掲載したけど、その広告効果があったのかという

検証も、回帰分析という統計手法を使うと、上の例と同じように

受注件数や売上金額などによる影響が多かったか、

少なかったかなどが数字で読み取れるのです。

そして、アパレル業などであれば、たとえば店舗面積と売上の

相関性や、曜日や天気による、各衣料品の売上との相関性なども

数字面で推測できるのです。

誤解があってはいけないので説明しますと、これらの例は、あくまでも

定量的な側面からの分析であって、数字だけですべてが読み取れるわけではありませんので、

あくまでも一つの指標という意味で使います。

いずれにしても、このような統計的計算を使うといろいろなことが推測できるわけです。

これらのように、統計学はビジネスをするうえでも、定量分析といって非常に大切な指標となります。

しかし(これは私の経験からですが)、日本の会社の多くは、定性的な要素を使って

現状分析をしたり、定量分析といっても、数字の傾向をグラフにしたり、平均をとったり、

前年度と対比したりという分析だけに終始しているケースが多いと感じています。

統計を学ぶことで、これまで我々が見えなかった新たな数字的視点が見えてくると

思いますので、日本でもビジネス統計が普及することを願っています。

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葛西 伸一

株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員

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