日本初、細胞バンクビジネスのミッションとビジョン(4)

2009.08.25

開発秘話

日本初、細胞バンクビジネスのミッションとビジョン(4)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

自分の肌の細胞を使い医療や美容に役立てる。セルバンクすなわち自己細胞バンクは、高度先進医療のシンボル的な企業だ。細胞ビジネスを立ち上げたセルバンク社の問題意識、今後の展開戦略、細胞バンクが拓く医療の可能性などを探る。

■細胞を使ったサービスを日本のリーディング産業に

細胞バンクの未来に北條氏はどんなビジョンを描いているのだろうか。

「自動車産業に例えるなら、今の状況はまだようやくT型フォードが登場したぐらいのレベルだと思っています。当時メインの交通機関だった馬車と比べれば、遅くて使い勝手が悪いのが初期の自動車でした。しかし、それから百年、いま自動車はどんな存在になっていますか」

製細胞産業という概念を北條氏は使う。この産業が百年後には今の自動車産業のようなポジションを社会で占めるというのだ。

「今から百年後には細胞を使ったビジネスや遺伝子を使ったサービスが、一つの産業として間違いなく存在しているんですよ。これは予測される事実です。未来に必ず発展する産業であるならば、そこに向かって進むのが男のロマンでしょう」

製細胞産業が近いうちに確立されることを、確定した未来だと北條氏は断言する。人類のこれまでの進歩を踏まえてこの先を予測するなら、北條氏の想定は決して間違ったものではないだろう。医学は環境と並んで、21世紀の基幹ビジネスなるはずだ。

「我が社の役割は細胞の製造から流通までを担うメーカーです。わかりやすい例でいえば、今の製薬会社ですね。薬の代わりに細胞を作り、それを安全な流通システムを使って医療機関に提供する。まずは皮膚細胞からはじめて、10年後にはおそらく血管も扱っているはずです」

培養血管に対するニーズも確実にある。話題のiPS細胞を扱うことも視野に入っている。

「その次は臓器じゃないでしょうか。培養臓器、つまり自分の細胞を使って自分の臓器を作る。ここまでは必ず行きます。そして、これが10年後、20年後の日本を支える産業になります。大げさじゃなくて、製細胞産業で未来の日本は食っていく。間違いなくそうなります」

北條氏のとてつもない夢が実現したときに、どれだけ多くの人が救われるだろうか。日本だけではなく、世界の病める人たちを救う希望の星となること、それがセルバンク社のビジョンなのだ。

~特集インタビュー
「日本初、細胞バンクビジネスのミッションとビジョン」完~

                                                            

【Insight's Insight】

 臓器再生までできるなら、不老不死だってできそうですね。そんな質問をすると北條氏は即座に「それは神の領域です。人間には決してできないでしょうね」と応答した。
 この敬虔さがセルバンク社のもう一つの柱なのだ。細胞を再生するだけでも、日本ではごく限られたエリート医者である。その北條氏が仮に、自らの欲を満たすためだけに始めたビジネスだったら、これほどまでに人の協力を得られたはずがない。ご自分では「僕は自己顕示欲のかたまりだから」とおっしゃっていたが、それは照れ隠しだろう。
 人を引きつけ、人を動かすのはビジョンである。そんなビジョンを持つ、言い換えれば未来をこのようにしたいという強い思い入れを持つ人だけが、新しいビジネスを創りあげることができるのだ。百年後には製細胞産業を、今の自動車産業の位置づけまで持って行きたい。それが人類のためになる。
 セルバンク社は北條氏のビジョンに支えられているのだ。

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