「自己価値スロープ」を上れ

2009.08.20

仕事術

「自己価値スロープ」を上れ

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

「代替されない仕事」をする人は自己価値を上げていく。「代替される仕事」に甘んじ続ける人は自己価値を下げていく。自分の価値を上げることは、その上げる分の傾斜を上ること。

で、まず、「代替される仕事」ばかりをやり続けていく人はどうなるか。
図に示した通り、人材価値は年齢とともに低下していくのみとなる。

同じ定型業務をやる20代Aさんと30代Bさんではどちらが人材価値が高いだろうか?
それは、若くてこれからの発展性もあるAさんのほうが高い人材価値があるとみなされる。
Bさんはいくら否定しても労働市場というのはAさんに高い価値を置く(残念ながら)。

次に、「代替されない仕事」に挑戦し、それを行い続けていく人はどうなるだろうか?
図のように、人財価値は年齢とともに向上していく。

基本的に「代替される仕事」はラクである。
(やらされ感、労役感があって、ツライものではあるが)
一方、「代替されない仕事」はシンドイ。なぜなら坂を上るような負荷があるからだ。
負荷というのは、
創造する意志、未知の世界に足を踏み込む勇気、リスクを取る覚悟、
転んでも起き続ける執念、批判への忍耐、周囲を説得する努力
などをいう。

図のように代替されない仕事によって人財価値は右肩上がりに増大していくが、
その上り傾斜(IR傾斜)は、そのまま負荷の坂を表わすと思ってよい。
つまり負荷の坂を上ることと、人財価値を向上させることはセットなのである。

さて、一個一個の働き手の自己価値は次のような数式で表わされる。

自己価値=人材価値+人財価値

私たちは、就職したてのころは主に「代替される仕事」を任される。
そして、職業人として成長してくるにしたがって「代替されない仕事」をやり出すようになる。
徐々に「代替されない仕事」の割合を増やしていくと、自己価値は増大していく。
しかし、「代替されない仕事」の割合を増やさないまま、
「代替される仕事」を繰り返していると、自己価値は低下していく。

いまや、真面目に言われた通りの仕事をこなすだけでは
(仕事でラクばかりを考える人・ズルをする人は言うに及ばず)
一生を通じて雇われにくい状況が生じている。

大企業勤めや公務員はいったん雇われてしまえば、現役の間は雇われ続ける確率は高いだろうが、
定年後は確実、労働市場から冷徹に評価されるときがやってくる。

働く人生は長い。この先何十年と続く。
働きたくても働けない―――そんなことを回避するために、
そして
どうせ働くなら、働きたいところで働きたい―――それを叶えるために、
日頃、大小のことで、
自分にしかできない仕事=「代替されない仕事」をやる習慣を身に付けるのが最大の方策だと思う。

その習慣は坂を上るような負荷のかかることだが、ここを逃げたらダメだ。
自分の価値を右肩上がりにしている人は、
自分が不断の努力でその上り傾斜を上る人なのだ。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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