「宮﨑あおい」の全方位戦略・一眼デジカメ「オリンパス ペン」

2009.08.03

営業・マーケティング

「宮﨑あおい」の全方位戦略・一眼デジカメ「オリンパス ペン」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

モノクロームのスローモーション映像の中、宮﨑あおいがカメラを構えて微笑む。オリンパスのデジタル一眼カメラ「オリンパス ペン EP-1」のCM。現在テレビに大量投下中だ。デジタルカメラとして復活した往年の名機「ペン」の戦略はどんなものだろうか?

「オリンパス ペン」というカメラの名前にノスタルジーを覚えるのは、中高年のカメラマニアだ。「Since1959」とCMのコピーにもあるように、初登場は1959年、高度成長期前期である。当時のカメラは高価なライカが憧れの的であったが、その40分の1、6,000円という価格を実現。さらにまだまだフィルムが高かったため、35ミリフィルムの1枚のサイズの中に2枚撮影できる「ハーフサイズ」を確立した画期的なカメラであったのだ。
その後も様々な改良が重ねられ、1963年には世界初、世界唯一のハーフサイズの一眼カメラとしてリニューアルした。それが今回のデジタルカメラ化されたペンのコンセプトとなっているのだ。

上記の通り、中高年にとっては思い出深いカメラで、一度は手に取った人も多いはずだ。40代の筆者がカメラ少年だったとき、まだ中古機が多く出回っており、それを愛機としていた仲間も多かった。まず、今回のターゲットの一つはその層であることは間違いない。

イメージキャラクターとして宮﨑あおいを起用しているのが絶妙だといえる。
宮﨑あおいの趣味が写真であることを知るファンは多い。兄で俳優の宮崎将と、世界の経済格差問題を描いたフォトエッセー「たりないピース」、環境問題を描いた「Love,Peace & Green たりないピース2」を記すなど活動も本格的だ。2007年~2008年にオリンパスのデジタル一眼カメラE-410/510にも起用されているのでその流れであるが、実際に写真活動を行っている女優が推奨するという演出はにくい限りである。

宮﨑あおいは4歳の子役からのデビューであるが、2005年、社会現象を引き起こした大ヒット映画「NANA」の主演で一気に注目を集めた。2006年、NHKテレビ小説「純情きらり」の出演で家庭にも広く顔が知れ渡り、翌2007年、大河ドラマ「篤姫」の主演によって誰もが彼女を知ることとなる。

そんな彼女のファン層は幅広いことが特徴だ。
テレビ小説、大河ドラマでの高い認知で中高年にも好感度を得ており、その一部は往年のオリンパス ペンファンともかぶる。
家庭によく知られた顔で、実は写真の腕もなかなか。そんな彼女の推奨するデジタルになった「ペンEP-1」をもう一度手にしてみませんか、というメッセージが伝わってくる。

一方、女性の支持も高い。女性向けマンガが原作の「NANA」の主演だけでなく、「篤姫」の役どころは多くの女性の共感を得た。
女性をターゲットとした時、「ペン」のスペックはさらにピッタリとマッチする。「ペン EP-1」はレンズ交換型デジタルカメラとしては世界最小・最軽量である。しかも、初心者にも使いやすい直感的な操作を実現しているのだ。女性向けデジタル一眼カメラとしてはパナソニックの「LUMIX G1」シリーズが先行しているが、そのサイズより大幅に小さく軽い。また、ボディーカラーのホワイトは明らかに女性向けであると考えられる。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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