ミツバチ不足問題から考える人間のエゴとは

2009.06.30

経営・マネジメント

ミツバチ不足問題から考える人間のエゴとは

井上 卓哉

「これがなくなったら、人間が生きていけいない」というものは何かと問われたら、あなたは何と答えるだろうか?かのアインシュタインは、「もし、ハチが地球上からいなくなると、人間は4年以上生きられない」と予言した。

「これがなくなったら、人間が生きていけいない」というものは何かと問われ

たら、あなたは何と答えるだろうか?空気、水、塩、糖分など、山での遭難から

生還した人が携行していたものを思い浮かべる人もいるだろう。だが、どんなに

想像力の豊かな人でも、「ミツバチ」という解を挙げる人はそうはいないはずで

ある。しかし、かのアインシュタインは、「もし、ハチが地球上からいなくなる

と、人間は4年以上生きられない」と予言した。なぜならば、ハチがいなくなる

と、受粉ができなくなり、植物がいなくなる。そうすれば、植物の光合成によっ

て酸素が供給されず、人間は野菜から必要な栄養分を摂取することもできなくな

る。その結果、人間も地球上からいなくならざるを得ないということだ。この風

が吹けば桶屋が儲かる式の論法には、賛否両論あるが、この予言の真偽に判定が

下される日もそう遠くはないのかもしれない。

2006年秋、アメリカで数人の養蜂家が、セイヨウミツバチが巣箱からすっかり

消えているのを発見した。その後全米で35州、180億匹のセイヨウミツバチが短

期間に巣から失踪していることが確認された。今でこそ「蜂群崩壊症候群」(以

下、CCD:Colony Collapse Disorder)と呼ばれる。しかし、女王バチや生

まれて間もないハチを置き去りにして働きバチが忽然と姿を消すという状況に、

何十年もハチと共に生きてきた養蜂家も事態の掌握に随分時間がかかったとい

う。ミツバチの死体もないのだから、原因の特定すら困難なのだ。これまで最新

の技術を取り入れ集中管理を行ってきた自負のある養蜂家のショックは計り知れ

ないが、その影響は養蜂家の収益悪化に留まらない。現在アメリカでは、アーモ

ンドやズッキーニなど100以上の農作物の商業的生産がミツバチの媒介に依存し

ている。ミツバチの不足はこれらの商品供給の停止を意味するといっても過言で

はないのだ。

そして、同様の現象が日本でも確認され始めた。今年4月に行われた農林水産

省の調査では、山形、栃木、静岡、岡山、鹿児島など計21都県で、いちご・メ

ロンなどの果物やすいか・なす・かぼちゃ等の野菜を育てる上での受粉に必要な

ミツバチが不足していることが明らかになった。本来日本に生息するニホンミツ

バチやその他の花粉を運ぶ虫の数に変化は見受けられないが、受粉用に飼育され

たセイヨウミツバチは減少が確認されている。これによって、ミツバチの売買価

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