エグゼクティブ・マネジャーとは。

2009.06.23

組織・人材

エグゼクティブ・マネジャーとは。

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「エグゼクティブマネジャー」は、何をすべき人なのか。

部長とか執行役員クラスを『エグゼクティブ・マネジャー』という呼称にしている会社も少なくありませんが、何となく「シニアマネジャーとかゼネラルマネジャーより格上」といった漠然とした意味合いで捉えて使っていることが、そのほとんどではないかと思います。飛行機の座席で「エグゼクティブクラス」というのと同じで、「エグゼクティブ」は階層や地位が上というニュアンスで使われることが多いようです。

ジャック・ウェルチは、リーダーに次の4つのことを求めました。

・Energy :自らが活力に満ち溢れていること。
・Energize:目標に向かう周りの人々を元気づけること。
・Edge  :タフな問題に対しても決断ができること。
・Execute:言ったことをとことんまで実行していくこと。

リーダーに必要な「4つのE」として多少は知られているものですが、実は、最後のExecute(実行する)がエグゼクティブ(Executive)の語源。つまり、エグゼクティブはもともと「実行力のある」という意味で、エグゼクティブ・マネジャーとは、実行を求められる職務・職階と言うことができます。

では、ここで言う「実行」とは何か。

実務家、つまりメンバーがやっている業務を一緒にやるという意味ではないでしょう。決まっていること、平易なこと、単純なことを早く正確にやるということでもありません。メンバーがやっていることを見守り、ちょっとしたイレギュラーにアドバイスや支援を行ってあげる・・・くらいのことでもありません。普通に来た球を打つ、変化球に対応して打ち返すくらいのレベルのことは、エグゼクティブが求められる実行力ではないということです。

それが求められる実行とは、与えられた資源を知り、磨き上げる、そして絵(ビジョン・目標に至る道筋)を描き、具体的な方策や工程や役割を明示しながら、様々な障害に対して粘り強くこれを推進していく、あるいは遂行を求めていくこと。球は自分で置いて、その打ち方も決め、これを場合によっては打って見せながら皆に周知徹底する。ステージの違う実行力です。エグゼクティブ・マネジャーとは、人柄や経験や思いつきだけで務まるものではないことが分かります。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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