頑張れ、「アサヒ麦搾り」!

2009.06.19

営業・マーケティング

頑張れ、「アサヒ麦搾り」!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

9月15日発売と、ずいぶんと先の商品発売をリリースした「アサヒ麦搾り」。果たしてどんな意図があるのだろうか?

そんな背景の中、4月22日の「キリン ストロングセブン」のリニューアル内容は、きっと衝撃的であったはずだ。リリースには<リニューアルにあたっては、麦芽使用率をこれまでの約1.6倍まで高めるとともに、「新・高発酵技術」(特許出願中)を採用することで、アルコール7%の“のどにグッとくる刺激”はそのままに、“キレ”“飲みごたえ”をさらに向上させています。>とある。
「麦搾り」のスペック、麦1.5倍・アルコール6%を各々ちょっとずつ上回る。

言いたくてもいえない「キレ」。単なる数字上のスペックかもしれないが、微妙に上を行かれているスペック。どうにも歯がゆい状態である。
製品上市の意図は、「ストロングセブン」に挑むのではなく、「ストロング志向」の自社顧客のキリンへの流出を何とか食い止めようという意図なのかもしれない。故に、元もと自社ファンであれば、パッケージの商品名下にも記載した「麦1.5倍使用(麦芽、大麦 当社比※)、アルコール分ちょっと高め」という文言に気付いてくれるだろうと。

本当に上記のような意図であれば、苦戦が想像されてならない。
世の低価格志向は止められない。外での飲み会もビールではなく発泡酒が選ばれ、宅飲みでは第3のビールがもはや定番だ。「スーパードライ」の延命策は絶対必要であるが、その弱みを突かれて、キリンに発泡酒でも第3のビールでも「キレ」で逆攻撃されている戦局を変えるべきではないだろうか。

射すくめるような豊川悦治の視線。ロッキーのテーマソングにもなった「Eye of the Tiger」のCMソング。「決めようじゃないか」の挑発的コピー。そんなシビレル喧嘩を売ってほしいと考えるのは無責任すぎるだろうか。
9月の発売までにはまだ少し時間がある。少し検討してみてほしいと、アサヒファンの一人として考えるのであった。

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アサヒビールはパンドラの箱を開けたのか?
http://www.insightnow.jp/article/3045

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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