5月7日にグーグルが日本語インターフェイスでもサーチウィキの機能を追加した。「検索結果をカスタマイズできる」「順位を変更できる」などと言われているが、大きな間違いだ。あれは、単なるメモツールなのだから。
サーチウィキとは、そういった行為をシンプルに行えるようにしたものだ。
つまり、「検索で見つけたあのページ」を後から見直す場合にも、最初にしたのと同じ「ググる」という行為で透過的に行えるようにしたメモツールに過ぎないのだ(そうすればまたアドワーズを見てもらえるし)。そして、そのためのインターフェイスとしてグーグルが最適だと考えたのが「検索結果を自分に合った形にカスタマイズしておく」なのだ。
もしかしたら、どうも人気がないらしいGoogleノートブックで実現しようとしていたコンセプトを、検索結果をキーにして、もっと受け入れられやすい形で実装してみたものなのかもしれない。
グーグルは公式ブログで「検索結果表示をカスタマイズできるようになりました」のように書いているが、そのとらえ方では、サーチウィキの本質を逃してしまうのだ。
将来はSEOに影響があるかも
とはいえ、サーチウィキがSEOにまったく関係ないわけではない。渡辺隆広氏がSEMリサーチで次のように書いているように、将来、サーチウィキでの評価が検索結果での順位決定アルゴリズムに組み込まれる可能性はゼロではない。
なお、Googleプロダクトマネージャー・Cedric Dupont氏は、サーチウィキのユーザデータをシグナルとして見ていること、可能性は否定しないと発言していますので、現在はともかく将来的にサーチウィキの変更が他ユーザに適用されるかどうかはわかりません。
http://www.sem-r.com/seo/20090507124252.html
しかし、同記事で続いて渡辺氏も書いているように、そうなったとしても、あくまでも数多くの評価項目の1つとして参考にされるだけだろう。グーグルアカウントを大量に取得して自分のページをサーチウィキでアゲまくったり、ライバルのページを消しまくったりするようなSEOスパムが可能になることは、あり得ないだろう。
改めて強調しておこう。「自分のサーチウィキ メモを見る」というリンクテキストでわかるように、サーチウィキは、検索結果をカスタマイズしたり順位を変更したりするツールではない。単なる自分用メモを検索結果に残せるだけのツールだ。
※この記事は、Web担当者Forum(Web担)に掲載した編集部コラムを転載しています。
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2009.02.10
2015.01.26
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。