今年の採用は大変みたいです。折角採用した新人君をまかせた指導担当者はうまくやっているでしょうか?ある会社ではこんなことになっていました。
Dさんはまじめそうな企画畑の社員です。そして担当の新人は女性でした。
どう接したらいいか、適切な距離感がDさんにはわかりません。
同じグループの女性社員の一言で自分の失敗に気がついたそうです。
「なんでも相談してねと伝えていたのですが、女性からは先輩男性社員に相談しにくいと教えてもらい、なぜ相談にこないのかがわかりました。配慮が足らなかったのですね。もっとこちらから声をかけるようにしてみます。」と語ってくれました。
ずっと後ろで研修を見ていた人事部長に研修終了後に呼ばれ、
相談を受けました。
「今回うちの配属後の新人指導がいかにいい加減だったかがよく分かりました。
現場によっては若手に指導の仕事を押しつけたり、指導者を選ぶ基準もあいまいでした。
それに今回EQ検査の結果を見ていて気づいたことがあります。ある項目が低い
指導担当者の下についた新人には問題が多く、入社して1月で辞めてしまった者もいるのです。
折角採用した新人を伸ばす環境作りを真剣にしないと、このままでは組織的に立ち行かなくなってしまうかも知れません。」
今採用市場は空前の売り手市場です。内定を出しても辞退され、入社してもすぐ辞められては多額の予算と人的投資が無駄になってしまいます。一方、受け入れ側は実務で忙しく、ゆとりもなく、また十分な指導訓練も受けていない場合も多いようです。
今回の取り組みを通し、現場の方々にやる気が無いわけではなく、「やり方」に
問題がある場合が多いように思いました。「やり方」をちょっと方向修正するだけでも大きな成果がでるでしょう。
そのためには自分と自分の行動を客観的に見るツール、そしてオープンに
議論し、皆で考える場が必要に思えます。
最後に、この会社の家族的な風土が美徳としていつまでも続きますように。
次回につづく。
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2010.03.20
2015.12.13
横井 真人
産業能率大学 教授
個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。