アンケート調査は役に立たない?

2007.07.27

営業・マーケティング

アンケート調査は役に立たない?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

以前の記事で、 ・予算がないから ・時間がないから ・ほかの調査は面倒だから といった本末転倒の理由で「アンケート調査」を安易に やってしまうのは「手抜き」であるという極論を書きました。

*「手抜き調査」の自覚

もちろん、私は、
アンケート調査自体を否定しているわけではありません。

仮説を定量的に検証するためには最も有効な調査方法です。

ところが、旭川市旭山動物園の園長、小菅正夫氏は、

「アンケート調査はまったく役にたたない」

と断言しています。

なぜなら、調査票の作成は、

・きっとこう答えるだろうな
・こう答えてほしい

といった調査実施者側の「予想」や「期待」に基づいて
行われるため、得られた回答結果は自分の範疇を超える
ことができないからです。

小菅園長は、来園者対象のアンケート調査を2年続けて、
この問題に気づいたのだそうです。

上記調査の詳細は聞けていないのですが、
小菅園長のおっしゃる、

「自分の範疇を超えることができない」

というのは、

「すでに自分がわかっていたことを再確認できるに過ぎない」

という意味でしょう。

ただ、そうであるならば、そもそも
アンケート調査の使い道を間違っていた可能性があります。
(小菅園長を非難する意図はありません)

旭山動物園で行われたアンケート調査の目的は、
来園者の不満点、改善点を発見することにあったと
想定されます。

これは、要するに

「仮説発見(構築)」

を主目的とするものですから、
アンケート調査はあまり適した方法ではないのです。

というのも、アンケート調査では、
回答者は、あらかじめ設定された質問にしか答えませんから、
動物園側が思いもしない、新たな不満点や改善点が得られる
はずはないからです。

「アンケート調査は、役に立たない」

という小菅園長の判断は、正確には、

「来園者がどんな不満や改善要望を持っているかという
 仮説発見・構築には、アンケート調査は役に立たない」

ということだと思います。

実際、アンケート調査の代わりに、
来園者への聴き取り調査(ヒアリング調査)を
行ったところ、たくさんの発見が得られています。

来園者に自由に語ってもらい、
それを素直に記録するやり方が効を奏したわけです。

聴き取り調査の結果を
まとめるのはとても手間がかかります。

しかし、冒頭に述べたように、手間がかかるからと
いって安易に「アンケート調査」に逃げてはいけないと
思います。

なお、上記聴き取り調査の結果は
まことに辛らつ、かつ率直なものでした。

そもそも、動物園に来ているにもかかわらず、

「動物園は面白くない!!」

と多くの人が語っていたのです。

その理由は、まず「動物たちが動かないから」

・クマは寝てるだけ
・キリンは立ってるだけ
・水鳥は浮かんでるだけ

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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