ほめるな、ねぎらえ!

2009.04.27

組織・人材

ほめるな、ねぎらえ!

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

共に働く部下・スタッフたちのやる気を高め、 また維持するためには、 「ほめるな、ねぎらえ!」 ということが重要だといわれますね。

「えーと、「ほめる」と「ねぎらう」はどう違うの?」

という疑問が湧きましたか?

認める対象が異なるんです。

「ほめる」の対象は、「結果」や「能力」です。
一方、「ねぎらう」の対象は、「プロセス(過程)」です。

つまり、

「よくやった!君は優秀だ!」

などというのがほめること。

一方、

「毎日、粘り強くがんばってるな!」

というのがねぎらうことです。

所定の成果を出さない限り、
「ほめること」はそうそうできませんよね。

しかし、日々の努力は、
成果が出る・出ないに関わらず、
「ねぎらうこと」が可能です。

もちろん、部下・スタッフたちには、
所定の成果を出してもらわないと困りますから、
成果は出なくてもいいということではありません。

しかし、「ほめる」ことよりも、「ねぎらう」こと
のほうが「やる気」の維持には効果的なのです。

この理由のひとつには、
自分のことを見てくれている、気にかけてくれている
という「心の支え」を与えられることがあります。

もうひとつは、努力し続けることの重要性を認識し、
常に新たなチャレンジに立ち向かえる

心構え(マインドセット)

を醸成することができるからです。

一方、成果や能力を「ほめる」ことは、
短期的にはやる気を高めることが可能です。

ですが、長期的には自信を低下させ、努力を放棄し、
新たなチャレンジを避けるといった、

好ましくない心構え

を醸成する、マイナスの影響があることが
わかっているのです。

ビジネスではなく、学校教育における研究ですが、
成果や能力をほめる行為にはマイナスの影響がある
ことが実証された実験をご紹介しましょう。

スタンフォード大学心理学教授、
キャロル・S・ドゥエック氏が、思春期初期の
数百人の子どもたちを対象に行った実験です。

まず、生徒全員に、
知能検査のかなり難しい問題を
10問解いてもらいました。

ほとんどの生徒が、
まずまずの成績を取ったそうです。

テストが終わったあとで、
子どもたちに「ほめ言葉」をかけるのですが、
この時、生徒たちを2つのグループに分けました。

そして、一方の子どもたちには、
その子の「能力」をほめたのです。

「まあ、八問正解よ。よくできたわ。頭がいいのね」

といった具合です。

もう一方のグループでは、彼らの「努力」をほめました。
(これが、「ねぎらう」ということです)

「まあ、八問正解よ。よくできたわ。頑張ったのね」

といった感じ。

グループ分けした時点では、
子供たちの能力は全く等しかったそうです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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