効果的な手法は目標の明確化から

2009.04.11

組織・人材

効果的な手法は目標の明確化から

柳田 善弘
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役

さまざまな論者が学びのテクニックが提唱する中、それ以前に考えておくべきことがあります。 研修企画・教材開発の実務経験から回答(コメント)させていただきます。

ご質問ありがとうございます。

いただいた直接のご質問は「効果的な教育手法は?」というものですが、少々別の角度から回答(コメント)させていただきます。

まず、いただいた質問からは、どのような手法が効果的かを考える前に、ゴール(研修目標)を整理・明確化する必要があるように思えます。

目標と現状がシャープになれば、それぞれを結ぶ効果的な手段というものが検討しやすくなるためです。
例:自宅から最寄りのコンビニに早く行きたいならば、車よりも歩いた方がよいかもしれません。

このテーマは突き詰めると深いので、今回はご参考程度の回答とさせてください。

文字だけからうかがえる目標候補は以下の通りです。

・教育に対して肯定的な姿勢を持つこと
・ロジック記述ができるようになること
・研修そのものを始めること
・参加者が研修を楽しむこと
・何らかの結論を出すこと
・全員を底上げること

私も研修の設計をお手伝いさせていただくことが多いので、「せっかくお金と時間をかけるのだから、あれもこれもやりたい!」というクライアントの素直な思いは理解できます。

一方、それらは消費者心理としては当然かもしれませんが、結果成果に責任を持とうとするならば、必達目標とそれ以外を分け、必達目標の実現にひた走るのがよろしいかと思います。

それでは、どのように目標設定をしましょうか。
上記の目標候補も、もっと踏み込んで考えてみましょう。

例えば、「何らかの結論を出すこと」とは「成長実感を得られること」というねらいで考えられたのではないでしょうか?
つまり、現在想定されている目標の裏には、何らかの問題意識や解決策の仮説があるのではないでしょうか?

それらをふまえて目標を再考することで、目標はよりシャープになっていくかと思います。

さて、目標の設定について、もう1つ考えていただきたい点があります。
それは、問題の裏返しが、適切な解決策とは限らないということです。

例えば、「研修に否定的な姿勢は、研修効果に疑問があるからでは?」という仮説があった場合、どのような目標を設定するでしょうか。

問題の裏返しの解決策とは「では、効果の高い研修をしよう!」というものです。

これは、実現できればよいですが、内部の勉強会の必達目標にするには荷が重い印象です。
また、実現できたとしても、肯定的な姿勢作りに必ずつながるかも少々疑問です。

もし、過去の不幸な経験から研修効果に否定的な姿勢が根付いており、それを払拭したいのであれば、効果的な研修をめざすのはもちろんですが、効果を実感できることをめざす方が優先順位は高いと考えてはいかがでしょうか。

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柳田 善弘

株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役

社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。

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