なぜ『週刊現代』と『週刊ポスト』の部数は凋落したのか?(2)

2009.04.03

営業・マーケティング

なぜ『週刊現代』と『週刊ポスト』の部数は凋落したのか?(2)

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「週刊誌」と聞いて、「派手な見出しと薄い内容」「度肝を抜くスクープ」などをイメージする人も多いだろう。しかし週刊誌の代表格『週刊現代』と『週刊ポスト』が部数を急減させている。紙面の内容はあまり変わっていないような気もするが、なぜ部数が落ち込んでいるのだろうか?  [長浜淳之介,Business Media 誠]

何でもありだが、実は何もない雑誌!?

 『プレジデント』の最高発行部数時の編集長であった、清丸惠三郎氏は現在フリーの出版プロデューサーとして歴思書院を主宰しているが、出版にかかわる人々を多角的に取材した『出版動乱――ルポルタージュ・本をつくる人々』(東洋経済新報社)という本の著者でもある。

 その第1章に『週刊ポスト』VS. 『週刊現代』という記述があり、編集部の編集長、副編集長のコンビが両誌ともに、硬派の政治・経済を得意にする編集者と、軟派な芸能や遊びに関する分野を得意にする編集者の組み合わせで成り立っていること。フリー記者の扱いが『週刊ポスト』では班や編集者個人が発注するのに対して、『週刊現代』が契約制であることなど、共通点と相違点が記されていて興味深い。

 当時の『週刊ポスト』の坂本隆編集長、『週刊現代』の鈴木哲編集長ともに、マネジメント手法は、下からの企画を柔軟に受け入れる「ボトムアップ型」であったそうだ。『週刊現代』と『週刊ポスト』が似ているのは、1959年に『週刊現代』が創刊した10年後の1969年、当時の『週刊現代』編集長が講談社から小学館に移籍して創刊したからである。

 そして最終章で清丸氏は次のように、警鐘を鳴らしている。「特に雑誌に関して指摘されているのが『男性誌・総合誌・月刊誌』の不振である(中略)。

 要するにこの層(40~50歳代)はバブル崩壊後の実質賃金切り下げ、雇用不安に直撃されており、一方でPCができなければ即窓際との脅迫観念からそちらに投資せざるを得ない(中略)。

しかも、多くの分野にセグメントされた専門雑誌が次々と登場しており、総合誌は帯に短したすきに長し、極論すると『何でもありだが、実は何もない雑誌』だと決め付けられつつある(中略)。

 問題は、『総合誌、男性誌』不振が、ここにきて月刊誌にとどまらず週刊誌にまで波及しつつあることである。第1章で『週刊ポスト』と『週刊現代』を取り上げたが、両誌ともにその後の1年で急激な部数減に見舞われている」

 つまり、総合誌の凋落(ちょうらく)はまず月刊誌に表われ、2000年ころより週刊誌に波及し、まず『週刊現代』と『週刊ポスト』の部数が減りはじめた。そこには清丸氏が指摘するように、インターネットの普及で、月刊誌のみならず週刊誌までもが、情報誌として足が遅いと思われてきた。さらに『アエラ』や『サライ』のような作りは大判ながらハンディでスマート、記事的には軽く、短く、そしてデザイン的には垢抜けていてビジュアルという雑誌の相次ぐ創刊、読者の移行といった背景があるだろう。

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