第三次野菜ジュース戦争勃発・今度のキーワードは「スッキリ」?

2009.03.13

営業・マーケティング

第三次野菜ジュース戦争勃発・今度のキーワードは「スッキリ」?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

熾烈な飲料の戦いにおいて、いまいちマイナーな存在である「野菜ジュース」カテゴリーであるが、再び2つの商品が戦端を開いた。しかし、その狙いはカテゴリーのトップを目指すだけではなさそうだ。

昨今の飲料業界のトレンドを一言で表わすなら、「緑茶飲料から炭酸飲料へのメインストリームの移行」である。緑茶飲料は、伊藤園「おーいお茶」の独占市場に、キリン「生茶」が進出して以来、サントリー「伊右衛門」も加わり、3強ブランドが市場の70%を占めた。しかし、各社が挑戦の手をゆるめないという、活性市場であった。しかし、業界内の競争ではなく、思わぬ代替品が市場の衰退を招いている。
ゼロカロリーの炭酸飲料である。ゼロカロリー甘味料の使用により、炭酸でさっぱりしながら、適度に甘みも感じるという製品が誕生。「カロリーは気にするが美味しいものを飲みたい」という消費者の嗜好にマッチして、炭酸飲料市場が急伸中である。

そんな中で、イマイチぱっとしなかったのが、野菜ジュースカテゴリーではなかっただろうか。しかし、約1年前の昨年4月頃から、新しい動きが始まっていた。
それまでの中心的ブランドであった、カゴメの「野菜生活100」「野菜一日これ一本」、伊藤園「充実野菜」「1日分の野菜」という二大メーカー、4強ブランドにサントリーが「野菜カロリー計画」で戦いを挑んだのだ。
サントリーの競争軸は「カロリー」。 「野菜一日これ一本」「1日分の野菜」のような、野菜汁オンリーではなく、果汁混合タイプでスッキリした味わいながら、糖質を20%オフ。さらに、今まで「絞りかす」として捨てていた繊維質をピューレ化することで100%摂取できるという健康志向強化も図っている。
スッキリしていて低カロリー。健康志向もより強化する。そんな野菜飲料のKSF(Key Success Factor=成功のカギ)が見え始めていたのだ。

そして、今春、カゴメと伊藤園は新たな戦いを市場の中で、もしくは野菜ジュース市場を超えて飲料市場に進出しようとしている動きがある。

3月10日から発売が全国で始まったのが、カゴメ「野菜しぼり」。
http://www.kagome.co.jp/news/2008/090128.html

なんともストレートなネーミングであるが、そのこだわりは原材料のチョイスと、ネーミングにある「しぼり方」である。
3タイプの味があるが、いずれも2~3種類の野菜しか使われていない。従来の「何十種類の素材をブレンド!」というものとは明らかに異なる。その厳選した素材を、<超高温・短時間殺菌で、風味を損なわず野菜の甘みを活かす>という製法によって、一切加糖しない野菜だけのスッキリした甘みを引き出しているという。
ターゲットは<野菜ジュースに『野菜本来のおいしさ』を求める、30代以上の男女>であり、<野菜ソムリエの活躍や、野菜レストランの出現、野菜スイーツの登場に見られるように、野菜本来のおいしさが注目され、野菜を味わうことを積極的に楽しむ>ターゲットの増加に対応したとのことである。
つまり、「野菜ジュースを飲む/飲まない」というセグメンテーションやターゲティングではなく、「本格的に野菜を好むオトナ」というターゲットに絞り込んで、野菜ジュースではあるが、むしろ「本格的な野菜加工食品」としてのポジショニングで打って出ようという戦略なのだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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