テレビという「セールスマンの死」を見過ごしにするな

2009.03.05

営業・マーケティング

テレビという「セールスマンの死」を見過ごしにするな

弓削 徹

インターネット広告が比率を高め、ラジオを抜いて、雑誌も抜き、そして来年度には新聞も抜く勢い。では、テレビはどうなるのでしょうか。

各メディアの扱い金額をグラフで見ると、いわゆるマス4媒体では新聞、雑誌、ラジオが消え入りそうな折れ線となり、テレビも漸減。これに対してネット広告は、やや伸び率に陰りが見えたとはいえ、元気に成長中です。

その大きな理由は、企業が追及せざるをえない“費用対効果”につきるでしょう。小さな企業でも、「1クリックいくら」から出稿できる気軽さ。そして、効果(=コンバージョン)がはっきりと見えるシステム。

もちろん、広告効果測定については、テレビであれ、イベントであれ、たとえ店頭POPでさえも、私たちマーケティング携わる人間はその効果を数値化するノウハウを持っています。しかし、一般的にテレビ媒体に対して呈される疑問の一番手はこのポイントでしょう。

くわえて、2008年を振り返ると、トヨタや日産、コカコーラ、ソフトバンクモバイル、富士通、DHCなどの、テレビでおなじみの大企業もネット広告に力を入れていたことが数字となって判明しました。

大企業は、キャンペーンに立体感を与えるようなクロスメディア的活用もしますが、やはりバナー広告などによるブランディング戦略が中心でしょうか。

危機感を持つテレビ局にとってネット活用を戦略にすえる企業は、クライアントであり、ライバルでもあるようなねじれの関係。それが、CM内でのサイトURL表示を1秒以下とする“規制”の押し付けとなり、制作方は「続きはウェブで!!」とするメッセージの送り方で対抗することに。

これら広告主の媒体選択の変化とあいまって、空前の消費不況が起こり、テレビ局には開局以来といっていい冷風が吹きつけています。出稿が漸減していく中で、番組1本にかけられる予算も減ってきています。

それは、ギャラの高いMC(司会者)の交代だったり、ドラマのロケ・カット数減少であったりというかたちで顕在化。いわば、寿司屋が仕入れるマグロのランクを下げるような、時間がたって振り返れば自殺行為であったと気付くような変化が起きているのです。

テレビCMサイドのつくり方もどんどん変わり、現場のディレクターたちは「フィルムで撮りたい」といくら唱えても、ビデオで撮ってCG加工するのが当たり前。下手をすると、加工作業だけで1本のCMが出来上がってしまいます。

その表現内容も、フトコロの深さを感じさせるものよりも、有名タレントを複数仕込み、だれか一人でも見込顧客に気に入ってもらえればアテンションをゲットできるといわんばかりの安直なつくりこみ。私も、いままでに企画制作してきたテレビCMはタレント起用ものがほとんどなので、大きなことは言えませんが。

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