自立自走型組織の大間違い

2009.02.25

組織・人材

自立自走型組織の大間違い

小倉 広

創業期には適したトップダウン型の経営スタイルをいつまでも続けることはできません。求められるのは、社員一人ひとりが自立自走する組織への生まれ変わり。一人が百歩進むのではなく、「百人全員が一歩ずつ踏み出す」組織づくりの秘訣をお伝えします。

「オグラさんの言う通り、現場に任せたら大変なことになった。どうしてくれるんだ!」

 私の講演を聞き、トップダウンで全てを決める指示命令型カリスマ経営の弊害を思い知らされた山田社長(仮名)は、自社へ戻り自らの言動を大いに改めたとのこと。管理職を育てるために、社長はじっと我慢し権限委譲をどんどん行い、自分のパワーを減らすことに集中したそうです。

すると、逆にトラブルが多発するようになった。お客様からクレームが発生する。上得意先をライバルに奪われる。期待していた社員が退職してしまう…。そしてあげくの果てには売上が激減してしまいました。

「もう我慢できない。奴らに任せていては会社が潰れてしまう!」

堪忍袋を切らした山田社長は、もう一度現場に戻るぞ!と宣言し、再びカリスマ経営へと戻してしまったのです。

 ははぁ…。これは自立自走を勘違いしているな。間違いを正さないと大変なことになりそうだ。

「山田社長。自立自走型組織をつくるには、完全に任せきりにしてはいけません。逆にこれまで以上にリーダーたちへ口うるさく小言を言い続けることが必要なんです」

えっ、と訝そうな表情の社長。そこで私は当社の経営スタイルを紹介することにしました。

 指示命令型カリスマ経営を脱却し、自立自走型ビジョナリー経営への生まれ変わりを専門に支援する当社は、また同時にその先鋭的な実践者でもありたいと考えています。

 当社が実践するのは、分社化により三十歳前後の若い四人の社長へ経営を委ねる自立自走型の組織運営。しかし、グループを統括する立場の私は彼ら四人へ経営を任せきりにはしません。いや、むしろその逆。分社化してから、四人への口出しは以前の倍以上にも増えました。

 一方で、私が劇的に減らしたのは全社員へ対する直接的な関わり。例えば、朝礼や会議において私でなくリーダーたちが発言する機会を増やす。そして多くの会議では出席することさえやめたのです。これは会社にとって劇的な変化でした。

 しかし、これだけでは山田社長と同じ轍を踏む。おそらく会社は滅茶苦茶になり、業績が急降下してしまうでしょう。そこで私が行っているのは、四人の社長へ対して徹頭徹尾細かく口出しを続けることです。

例えば、なぜ玄関に落ちているゴミを拾わないのか?なぜ出遅れている営業マンを放置し相談に乗らないのか?なぜ完成度の低い資料を顧客へ提出してしまうのか?など…。

目に付いた危険な予兆、あってはならない問題を一つひとつ見つけては彼らへ改善を要望していきます。

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