見えてきたWiiの正体

2009.01.07

営業・マーケティング

見えてきたWiiの正体

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

昨年1月11日アップした記事が『Wiiは何が違うのか』。あれから約1年、Wiiの新しい展開が見えてきた。岩田社長自らが日経のインタビューで答えている通り「利用者を笑顔にするものはすべてゲーム」という定義が、Wiiの正体を示している。

リビングに入り込むことに成功したWii

この不景気にも関わらず、売れ行きは前年対比2倍のペース。Wiiである。しかも売れている場所は日本ではない。あの、今のところおそらくは世界でも景気が最悪のエリア・北米でだ。もちろんヨーロッパ・日本でも売れ行きは順調。Wiiの販売台数は今や世界中で4000万台を突破している。

さて、一年前に書いた記事では、Wiiがゲーム機でありながら独特のポジションを取っていることを指摘した。子どもだけが夢中になるゲーム機ではなく、お父さん、お母さんが一緒になって楽しめるのがWii。だからこそ置かれる場所も子ども部屋ではなくリビングであり、そのためのプロダクトデザインとなっている。よってゲームのコントローラーも「リモコン」をめざしたのだと。

WiiフィットのCMを少し思い出していただきたい。これを使っているのは誰だったか。メタボに悩むお父さんであり、スリムになりたいお母さんである。もちろん子どもだってWiiは大好きだ。でも、お父さんもお母さんも、ついでにいえばおじいちゃんやおばあちゃんまでも取り込んでしまったのがWiiなのだ。となると、それは当然家族が集う場所、リビングルームに鎮座することになる。

春から始まる『Wiiの間チャンネル』

そして恐らくは満を持してのことだろう、この春から任天堂はWiiへの映像番組配信を始める。事業名『Wiiの間チャンネル』が、すべてを物語っているといえるのではないか。

任天堂の狙いは、お茶の間を『Wiiの間』に替えることにあったのだ。なぜ、このタイミングが満を持してなのか。要因は大きく三つあると思う。

まず一つには、少なくとも日本の家庭(より正確にはWiiのある家庭)なら、ほぼブロードバンドの普及が終わっていることがある。実は任天堂にとってはゲーム機を情報端末として活用するのは、、これが三度目のこと。前の二回はことごとく失敗に終わっていて、いずれもインフラの未整備が原因だった。だから、今回は満を持してなのだ。

さらにはネットを通じて映像を見ることが一般的になってきたこと。その立役者はYouTubeだろう。今やYouTubeユーザーは老若男女を問わない。映像はテレビでしか見れないもの、ではすでにない。ネットにつなげば、いつでも自分の好きな映像を放送時間に左右されずに見ることができる。この感覚が当たり前になりつつある。

そして三つ目には、コンテンツが整ってきていることも大きい。ここに電通をかませていることに、任天堂の本気度を感じる。ネットで動画配信といえば映画やドラマを思い浮かべがちだが、任天堂のコンセプトはまったく違う。

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