ヤマダ電機はダイエーなのかパナソニックなのか?

2008.12.21

経営・マネジメント

ヤマダ電機はダイエーなのかパナソニックなのか?

猪熊 篤史

都市型店舗展開を加速するヤマダ電機の戦略について考えたい。

日本の専門店として2005年に初めて連結売上高1兆円を突破したヤマダ電機は、それまでの郊外型店舗展開から都市型大型店の出店を始めている。家電量販店として初めて47都道府県全てへの店舗展開を実現して、2006年に大阪にターミナル駅隣接型店舗「LABI1 なんば」を開店した。2007年には仙台への出店に続いて東京でも池袋、大井町、新橋、秋葉原に大型店舗を次々と開店した。2008年には群馬県にある本社を高崎駅に隣接する大型店舗と共用の自社ビルへ移し、渋谷や水戸などへの大型店舗展開を続けている。

1980年代から群馬や栃木など北関東における郊外店舗展開を全国に拡大してきたが、都市型大型店舗展開を始めたことによってビックカメラやヨドバシカメラなど以前から都市型大型店舗を展開していた企業と商圏争いで激突する形となっている。北関東の風雲児とも呼ばれたヤマダ電機は業界再編の進む家電量販店業界を圧倒するような戦略をとっている。

家電量販店業界において圧倒的な売上規模を持つヤマダ電機がとっている戦略はリーダーの戦略というよりも、むしろ、チャレンジャーの戦略だと言える。そして、挑戦の対象となる市場は家電流通業界ではなく、食品などを含む流通業界全体のようである。セブン&アイ・グループやイオンとの競争が視野に入っているのだろう。ヤマダ電機は既に北関東地区の店舗で卵や牛乳など冷蔵食品の販売を始めている。

ヤマダ電機の潜在的競合ともなるイオンは三菱商事との資本・業務提携を発表している。イオンは郊外における大型店舗展開を続けてきた。不採算店の減損処理によって2008年8月中間期が赤字転落となったこと、ダイエーやマルエツなどスーパーを傘下におさめ売上規模を拡大してきた一方で競争の激化や消費不振によって経営環境が悪化したことなどが提携の背景として指摘されている。

イオンは社会貢献活動の一環として植林活動などを行っている。ヤマダ電機でもグリーン電力の活用や家電製品のリユースなどに取り組んでいる。企業として社会的責任を果たすことは欠かせない。大企業においては、そのような活動が顕著である。

イオンが再建支援に参加しているダイエーは、戦後の経済成長の中で安売りによって急成長したスーパーである。ヤマダ電機のどこよりも安い価格で商品を販売する姿勢はダイエーとも重なって映る。ダイエーはバブル期の多角化や不動産活用の失敗などによって経営が行き詰まり、産業再生機構の支援を経て、丸紅やイオンの傘下に入った。

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