宅配ロッカーシェア7割、フルタイムシステム驚異的成長の秘密 1

2008.12.16

開発秘話

宅配ロッカーシェア7割、フルタイムシステム驚異的成長の秘密 1

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

今やマンションの必需品となった宅配ロッカー。そのシステムを日本で初めて立ち上げ、ダントツのシェアを誇るのがフルタイムシステム社だ。圧倒的なポジション獲得に到る同社の経緯に迫る。

「荷物だけを置くロッカーは以前にも宅配業者さんが作ったことがあるんです。そやけどちっとも流行らんかった。当たり前ですわ、自分とこの荷物しか扱うことができないんやから」

宅配業者とは発想の原点が異なるのだ。フルタイムシステムの宅配ロッカーは、あくまでもお客様と管理会社である自分たちの利便性を考えて開発されたもの。お客様にメリットがある点が評価されて、マンションデベロッパーからも採用されるようになった。仮に特定宅配業者の荷物しか扱わないのでは、利便性は大きく落ちるだろう。

「しかもロッカー単体で商売しようとも思てへんかった。うちは管理会社なんやから、基本は管理です。そやから宅配ロッカーも売り切りにするんやなくて、実際に使ってくださるお客さんからごく小額の管理費をいただこうと考えたんです」

結果的には、この考え方が功を奏する。お客様から直接お金をいただくのだから、常にお客様のニーズに対して敏感にならざるを得ない。管理センターに寄せられるさまざまな声に率直に向き合う姿勢が自然に育まれた。

「宅配ロッカーを世に送り出してからの20年間で、いろんなアイデアを付け加えてきました。そのアイデアの素は、お客さんの声がほとんどです。お客さんから聞かせてもらう生の声ほどありがたいもんはありません」

宅配ロッカー自体はデベロッパーの業績にまったく左右されず、マンションが建ち続ける限りニーズは必ずある。しかも一軒あたりの管理費は小額とはいえ、今や全国のマンション15000棟もの顧客がいる。極めて安定した売上を見込めるわけだ。

「少しずつですが採用してくれるマンションは順調に増えていきました。ただ、いわゆる大手さんにだけはどうしても採用してもらえなかったんです。不思議で仕方なかったんやけれど、その理由があるクレームによってわかりました」

滋賀県のマンションに住む顧客から寄せられたクレームとは、郵便小包が届かないというもの。このクレームがフルタイムシステム社と原社長を国との長く厳しい戦いに巻き込むことになる。

⇒次回「郵政省説得のための本社移転」へ続く(全四回)

『株式会社フルタイムシステム関連リンク』
・株式会社フルタイムシステム ホームページ
 http://www.fts.co.jp/
・フルタイムロッカーユーザー向けコンシェルジュサービス フルナビ
 http://www.fullnavi.jp/
・北海道・有機無農薬野菜の生産農場 フルタイムファーム
 http://www.fulltime-farm.co.jp/

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