Mgrは何をすべきか、どう接するべきか

2007.06.22

組織・人材

Mgrは何をすべきか、どう接するべきか

横井 真人
産業能率大学 教授

マネージャーはどうすれば成果が出るでしょう。当たり前ですが、やるべきことがはっきりし、周りを巻き込めれば確率は上がるはずです。

この1ヶ月、連日管理職研修の講師をしていました。
大手警備会社、大手クレジットカード会社と高級アパレルリテールの
管理職全員が対象だったので、述べ300名近いマネージャー達と濃密
な時間を過ごしていたのです。

弊社のプログラムではマネージャーとして「何をすべきか」と
どうそれを部下・関連部署・取引先と「どう接し」、達成するか
の2段構えで取り組みます。

3社とも業界は違いましたが、共通する課題が浮き上がって来ました。

1.マネージャーに全体最適の視点が薄く、蛸壺マインドに
  陥っている。
2.部下をモチベートするリーダーシップを発揮できていない。

なぜそうなってしまうかの原因は様々でしょう。成果主義の人事
制度の弊害で自分の設定した目標に直結しないことを避ける風潮
の結果?過去10年後輩が入ってこなかった反動で部下
をリードする経験を積めなかったのか?モデルとなる上司が
いなかったからなのか?

原因はどうであれ、状況を改善する必要性は変わりません。

「何をすべきか」のパートでは各種分析手法を通し、
自社や自部門を客観的に把握し、現状を整理します。
そうするといかに自分が目の前の事柄に終始し、
狭い人間関係の中で仕事をしているかに愕然とするようです。

上がそうなのであれば、部下が自分の仕事の意味づけや
会社の中での位置づけを認識できている訳がありません。
全体感のない仕事ほど味気ないものもないでしょう。

自分なりに自部門の目的・目標・ビジョンを整理することで
見る見る、受講者の表情が変わってきます。

ところが次に、受講者に自分の部下がどのような感情を抱いているか
を問うと分からないと言う声もよくあがります。部下の顔を見て
いなかったと言う人もいます。あるいは何を考えているかを
聞き出せていないと気づく人も多いです。

なぜそうなるかと言うと、そのような「意識」が低い場合と
感知する「能力」が低い場合があるようです。

そして弊社検査による自己理解の場。
残念なことに検査結果を「おせっかい」と言う人もいます。
意識や能力が低いと判明した時、
「部下の気持ちを考えていては仕事なんかできない」と開きなおる
人もいます。

マネージャーさん達の気持ちはよく分かります。
自分もそうですから。
上からは目標を与えられ、下からは突き上げをくらい・・・。
でも結局周りが変わることを期待しても、
期待だけで終わるのではないでしょうか。
自分が確実に変えられるのは自分だけです。
自分が接し方を変えるからこそ相手も反応するのです。

最終的には高い割合の受講者に明日何かを変えようと
いう気持ちになって頂けます。
この連鎖が会社を変える、良くする原動力となることを
祈りつつ、来週も研修に向かいます。

次回につづく。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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