ホンダF1撤退と「ゲームの三達者」

2008.12.08

経営・マネジメント

ホンダF1撤退と「ゲームの三達者」

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

ゲームには三人の達者がいる。「枠の中の優れた人」・「枠を仕切る人」・「新たな枠をつくる人」だ。ニッポンのチャレンジは、個人も企業も国も「枠をはみ出す」こと!

○第三の達者:
「新たな枠をつくる人」=「創造者」・「ニューゲーム・クリエーター」

これは、そのゲーム盤の外にはみ出していって、
全く違うゲームをつくってしまう人です。

日本人は民族のコンピテンシーとして、
「ものつくりの民」であり、
決められた枠の中で、一番の人を模倣して研究し、
やがて一番になることが得意です。
つまり、第一の達者タイプです。

一方、アングロサクソンやユダヤの民族は
「仕組みづくりの民」であり、
第二の達者、第三の達者としてコンピテンシーを発揮します。

* * * * *

01年9月11日のアメリカ同時多発テロ、そして今回の金融危機と
世界史的な時間軸でみれば、大きな時代が区切りを迎え、
次の新しい時代が始まろうとしています。
(どんな秩序になるかまったく見えませんが)

そんな大きな次の時代に、
ホンダに限らず、他の日本企業が、
そして日本という国自体が、そして個々の日本人がチャレンジすべきは
枠をはみ出し、枠をつくり出すコンピテンシーを養うことだと思います。

第一の達者を追求するだけでは、
もはや日本は世界経済の中ではうまく立ち行かなくなるでしょう。
日本人は狡猾さや政治力に欠けるので、第二の達者には永遠に向きませんが、
第三の達者にはなれると思います。

そういった意味では、
ホンダも、他者がこしらえたF1という枠組みの中での優等生から
みずから枠組みをこしらえることへの
一つの跳躍を試されているといえます。

私も、みずからの事業で、既存の枠組みからはみ出す努力を続ける決意です。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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