「お~いお茶 ふっておいしい抹茶」のネーミング変更を裏読み

2008.11.14

営業・マーケティング

「お~いお茶 ふっておいしい抹茶」のネーミング変更を裏読み

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

伊藤園の「お~いお茶 ふっておいしい抹茶」が11月17日から全国販売されるという。

そこで、各メーカーは昨年の秋、高品質・高価値な「プレミアム戦略」を目指した。500ml・150円の相場より高価格で高級な商品を上市したのである。
 →バックナンバー:緑茶飲料・秋の陣を占う  
  http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2007/10/post_7cea.html
しかし、流通支配力の問題もあるが、現在でも頻繁に目にする生き残った商品は日本コカコーラの「綾鷹」ぐらいではないだろうか。なかなか、その価格と価値の関係が認められなかったということだろう。

「お~いお茶 ふっておいしい抹茶」は1本275ml入りで198円。価格戦略で見れば、これは伊藤園の「プレミアム戦略」への再挑戦だ。しかし、普通にやってはまた、同じ失敗の轍を踏むことになる。そこで、「振る」という消費者に特別な体験をネーミングでも強調することによって、高価格への妥当感を出したかったのではないかと考えられるのだ。

価格戦略は4Pの中でも最も慎重を期すべき部分だ。なぜなら、他の3つのP、製品を作る。流通チャネルを構築し維持する。プロモーションを展開する。それらは全て「コスト要因」である。価格戦略は失敗すれば塵芥に帰する。筆者は今回のネーミング変更は、実は価格戦略のためのものであると裏読みしてみたが、事実はどうだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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