調達・購買戦略はどうあるべきか?

2007.06.16

経営・マネジメント

調達・購買戦略はどうあるべきか?

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

スローガンやコスト削減目標は調達戦略ではありません。 重要なのは、品目別調達方針とサプライヤリレーション戦略です。

調達・購買戦略の話をしたいと思います。

多くの企業で調達・購買戦略なるものが策定されていると思います。
例えば、『CR目標、3年で30%』とか『グリーン調達比率XX%』、『サプライヤとの協同でウインーウインの関係構築』というようなスローガン中心のものが多いと思います。

調達・購買戦略の重要な要素は2点です。

1.品目別調達方針
2.サプライヤリレーション戦略

「1.品目別調達方針」については、『強い調達』では調達カテゴリマネジメントという名前で語られていますが、非常に重要な視点です。

調達・購買と言っても市況品である鉄、非鉄、レアメタル、原油、化成品のようなものから、汎用品まで、もっと言えば、業務委託等のサービス商材まで、直材、間材問わず、いろいろな品目が存在します。

これらの品目を同じ戦略、方針で調達することは不可能です。

場合によっては、品目毎に内外製の方針をどうしていくのか?
コアとなる技術を社内で育成するのか?
それとも時間を金で買う方針でサプライヤと共同開発していくのか?

サプライヤの事業買収も含め、その品目にあった形で戦略、方針を策定し、施策に落として、施策を実行していくことが必要になるからです。

こういう視点から調達・購買戦略は企業の技術、事業戦略に深く関連するものでなければならないのです。

ソフトウエア購買については、特に最近その調達・購買戦略の策定について課題が多い品目になると思います。
自社開発、共同開発、外部への委託、特に近年の製品は、ハードウエアだけでなく、組込みのソフトウエアがあって初めて価値を持つものであり、この分野の調達・購買戦略をどうたてていくか?
という点は今後10年間の企業の競争力を左右していくのではないか、と思っています。

そのための基本となるのが層別化です。

品目の定義と層別化をどういう機軸で行うのか?という点で、従来の4つのマトリクスではあてはまらない層別化を今後も色々な方法論を用いながら模索していく必要があると考えています。

「2.サプライヤリレーション戦略」については、「1.品目別調達方針」にも絡んできますが、それぞれの品目に対して、協業と競争、育成の方針を定めていくことが基本的な考え方です。

従来の「系列取引」にはそれなりのメリットもありましたが、一方で品目別の調達方針との齟齬が「系列」を負の資産にしてしまった、というのが現在の状況であると思います。

例えば、それほど技術的に重要な品目でないのにも関わらず、複数社の「系列」企業が存在し、「準内製」の位置づけで取引を続けてきた結果、タコツボ化し、横比較でグループ内のコスト低減活動には使えるが、他グループとのコスト競争力では負けてしまい、気がつけば競争力がない「系列」取引だけが残ってしまっている、というような状況です。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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