行き着く先は「らくらくホン」? 消費者ニーズに異変あり

2008.10.07

営業・マーケティング

行き着く先は「らくらくホン」? 消費者ニーズに異変あり

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

機能高度化の一途をたどるデジタルや家電製品に「No!」を言う消費者が増えてきたようだ。この先どこへ向かうのだろうか。

<新機種の価格相場は多機能タイプが5万円前後、シンプル携帯は3万円前後で、その差は2万円。豊富な機能が搭載されていても、使いきれるかわからない。それなら「最低限の機能で安いほうがいい」というのが、どうやら(ユーザーの)本音のようだ。>

20世紀のモダニズム建築を代表するドイツ の建築家、ミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe、1886~1969)は「Less is more(より少ないことは、より豊かなこと)」という言葉を遺した。その言葉どおり、ミースは古典的な建築様式を脱し、鉄・コンクリート・ガラスを用いた新しく合理的な様式を広めた。21世紀の今日、それらの建築物を見ても無駄を削ぎ落とした美しさが十分に感じられる。

タイトルに掲出した「らくらくホン」は1999年に発売され、以来5世代目が発売されており、昨年累計1,000万台が販売された。「初心者や高齢者でも使えるようなシンプルな携帯電話」というコンセプトからすると、昨今のらくらくホンは少々多機能化が進みすぎている感もある。らくらくホン自体も、その他の携帯電話も、さらには、多機能化しすぎた全ての家電やデジタル製品も、一度、「Less is more」という言葉の意味を考え、無駄を削ぎ落とした原点回帰が必要になっているのだろう。

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金森 努

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コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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