ビジネス成功の基本原則?

2007.06.04

経営・マネジメント

ビジネス成功の基本原則?

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

・客を待たせない ・質のいい仕事をする ・不正を働かない

以上3点は、ビジネス成功の基本原則?

確かにそうですね。
しかし、今回は人様の話じゃありません。

小型の海水魚、ホンソメワケベラ(以下、ベラくん)は、
自分より大きな魚の体表面につく「外部寄生虫」を
餌としています。

ベラくんたちは、サンゴ礁のあちこちに専用の

「掃除処」

を構えています。

「さあ、いらっしゃい。掃除屋でございます。
 寄生虫でお悩みの大きな魚さんたち、
 私の掃除処に来てくれれば、きれいに食べてあげますよ。」

ということで、寄生虫を取り除いてもらえる大きな魚も、
お腹を満たせるベラくんも、共にハッピーな取引です。

さて、魚の世界にもやはり競争原理が働いています。

質のいい仕事をする腕利きのベラの前には、
掃除してほしい魚たちが順番待ちの列をなします。

でも、あまり待たされるとさすがに我慢できずに、
別の掃除処に行ってしまうそうです。

ベラくん側としては、質を落とさずスピーディな仕事が
求められるということでしょう。

一方、ベラくんの中にも性質の悪いやからがいます。
寄生虫を食べるふりをして、客の体表面の健康な粘液を
食べてしまう。不正行為ですね。

すると、客は驚いて泳ぎ去る。

こんな「掃除処」は閑古鳥が鳴き、
不正を働いたばかりに、ベラくんはすきっ腹を
抱えることになるわけです。

ところで、客にも2種類のタイプがあります。

「回遊魚」と「根魚」です。

回遊魚は、広いテリトリーを泳ぎ回りますが、
根魚は、狭いテリトリーに留まるタイプ。

実は、ベラくんはこの2つの顧客セグメント別の対応を
きちんとやっています。

具体的に言うと、客が混み合っている時には、
根魚よりも回遊魚を優先して掃除するのだそうです。

その理由は、行動範囲が広い回遊魚は、
複数の掃除処から好きなところを選ぶことができますが、
根魚は動く範囲が狭いので、掃除屋を選べないからです。

ベラくんは、根魚に対しては、

「君はいつも近くにいるんだからさ、
 遠来のお客さんを優先させてもらうよ、悪いね・・・」

と、もし言葉が喋れたら言ってるところでしょう。

ともあれ、人間よりも知能でははるかに劣る魚類でさえ、

「客がサービスを選ぶポイント」

は実質的に同じであることに驚きますよね。

まあ、

「やるべきことをきちんとやり、やるべきじゃないことはやらない」

というだけなんですけど。

とはいえ、企業組織として取り組む上では、

・客を待たせない(スピーディな業務運営)
・質のよい仕事をする(個人、およびチームとしての質向上)
・不正を働かない(個人、および組織としての高い倫理性)

を徹底するのは、そうそう簡単ではないのが現実。

*ホンソメワケベラの話の出典:
 別冊日経サイエンス 社会性と知能の進化
 (日経サイエンス編集部編、日経サイエンス社)

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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