セカンドライフ騒動とポジショントーク

2008.08.22

仕事術

セカンドライフ騒動とポジショントーク

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

去年のバズワードの一つは間違いなく「セカンドライフ」だった。が、このセカンドライフ、最近はとんと聞かない。大企業が熱に浮かされたように先を競って出店した騒動は、一体なんだったのだろうか。

普及率0.4%

日本の個人ネットユーザーの間でのセカンドライフの普及率らしい(日経産業新聞2008年7月8日付2面)。1000人に4人である。ということは日本のネットユーザーが1000人いれば、996人はセカンドライフなどとは無関係なネットライフを送っているということになる。

もちろん、私のまわりでもセカンドライフを楽しんでいる、などという人は一人もいない(奈良なんて田舎に住んでいるせいかもしれないけれど)。ただ知名度は普及率ほどには低くないようだ。「セカンドライフの認知度は結構高く、46.2%である。知っている人は多いのに、やっている人がいないのだ(前掲紙)」。

一年前のセカンドライフ騒動

認知度が高いのには、ワケがある。ちょうど一年ほど前の状況を少し振りかえってみれば、思い当たる節があるのではないだろうか。マスコミである。仕事柄、新聞は4紙を購読している。日経、日経産業、日経MJと毎日だ。毎日はともかくとして、日経3紙では咋春ぐらいからたぶん半年ぐらいの間、セカンドライフの記事を見なかった日はなかったのではないか。

セカンドライフ関連でマスコミがもっとも象徴的に取り上げたネタの一つに、日産自動車が昨年3月末にオープンした「Nissan Altima Island」がある。確か自動車の自動販売機があってどうのこうのといった話だったと記憶するが、いま(2008年8月21日)日産のサイトにアクセスしても、セカンドライフのことはほとんど見つからない(同社のサイトで、キーワード「セカンドライフ」で検索をかけても2件しかヒットしない)。

確か今年(2008年)、大ブレイクするはずだったんじゃ

去年の今ごろは「今年(=2007年)がセカンドライフの日本普及期の始まりで、来年は間違いなく大ブレイクしている。とりあえず島を買って、店を出しておかないと置いてきぼりになりますよ」みたいな脅し的記事が、これでもかとばかりにメディアをにぎわせていたはずだ。

だからこそセカンドライフの一般的な認知度は高いのだ。とここまで来れば思い出される方も出てくるはず。そういえばセカンドライフに店を出しさえすれば、個人でもボロ儲けできるなんて話もあったでしょう。さすがにそんな眉唾話に乗った人はほとんどいないと思うけれど。

仕掛け人は広告代理店

一年経ってみてはっきりしたのは、少なくとも現時点では、日本企業がセカンドライフに出店するメリットなどほとんどなかったということ。普及率が0.4%ではほぼ無意味と言っていい。そしてもう一つ、日本でのセカンドライフ騒動には、仕掛け人がきっちりいたということだ。

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