痛みも和らげる介護で使えるコーチング

2008.07.27

ライフ・ソーシャル

痛みも和らげる介護で使えるコーチング

葛西 伸一
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

コーチングが本領を発揮するとき コーチングを本当に発揮するシーンは、家族とのコミュニケーションなのかもしれない。

本当のことをいうと、コーチングを学び始めたときは、
「こんな杓子定規なコミュニケーション手法が本当に有効なのだろうか?」
という疑念を払拭することはできなかった。

しかし、日々コーチングとビジネスやプライベートのコミュニケーションシーンを
重ね合わせれば合わせるほど、そのコーチングの効果を垣間見ることができ、
今では、そのあまりに絶大なコーチングの効果に言葉を無くす時すらある。

振り返ると、長いビジネスマンとしての生活の中で、
自分自身はコミュニケーション能力は他の人よりも高いと漠然と思い込んでいた。

何を基準にそう思ったか??
基準なんてなかった、ただ回りに敵が少ない。周囲が自分の話を快く聴いてくれる。
それで仕事もうまくいく。
しかし、よく考え突き詰めていくと昔の自分のコミュニケーションは、
無意識とはいえ、すべて自己中心ではなかったのだろうか。
自分のビジネスの成功を祈り、自分のために相手と自分の感情の調子をコントロールする。

そんな環境が、自分の能力の幻想となって立ちはだかっていたのだ。

でもコーチングは、クライアントである相手のためを思うこと。
その観点からいえば自分のコミュニケーション能力は、決して高いものではなかったと深く反省をさせられる。

そして、コーチングを学び得て本当によかったと思えたことが、今月だけで2回も発生したのだ。それはいずれも家族とのコミュニケーションだ。
今日は、最初の一つの私自身の実例をご紹介したい。
母が教えてくれたコーチングの本質

白血病末期の母は入院生活こそあまり長くなくないが、終始寝たきりで全く起き上がれない状態。
とはいえ、意識ははっきりしていて、ベッドで看護師さんに憎まれ口を叩けるほど元気だ。

白血病の末期は少なからず体に激痛が走り、母もその例外ではない。
鎮痛剤を常に点滴でうっているため、安勢にしているときはそれほどでもないが、
それでもベットのシーツを取り換えるときに、寝返りを打つとそれだけで体に激痛が走る。

ある日、病院側の配慮でベットのシーツの下に床ズレ防止用のエアマットを挟むことになった。

母は寝たきりのため、左右に寝返りをうつことで、少しづつ、シーツを挟み込むことになった。
しかし、それだけの動作でも母の下半身に激痛が走る。

「痛い、痛い!痛いわよ!!!もっと静かにやってよ!!!(怒)」

と看護師さんにかみつく。
気の強い母は昔からそんな感じだったが、病床となると一段と口調が激しくなる。

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葛西 伸一

株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員

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