サービス業Aさんが入社半年で辞めた理由と解決策(その1)

2008.07.19

組織・人材

サービス業Aさんが入社半年で辞めた理由と解決策(その1)

阿部 淳一郎

リテンション(従業員定着)を考えるヒント。新入社員Aさんが入社半年で退職した理由と、解決策を提示するシリーズの第一回目。今回は、Aさんの学生時代の事例。

私は、人材開発分野において、コンサルタントと講師として、
3つの領域で仕事をしています。

時間軸でいうと、若者が、一人前になるプロセスを
イメージしていただければ、わかりやすいかと思います。

(1)(大学において)学生時代のキャリア支援 ⇒学生時代
(2)(企業において)採用の支援 ⇒入社時
(3)(企業において)教育の支援 ⇒入社後

このような領域で、5年ほど、仕事を続けさせていただい
ていますから、学生時代の教え子を入社後も、ずっと、
追跡調査をすることが可能な環境にあります。

そこで、やはり考えるのが、「早期離職の問題」です。

現在、若年者の離職が色々な場面で問題になっている
ことはニュース等を通じてご存じの通りかと思います。
(公的なデータでも、それを実証するものは多々出ておりますし)

また、そのことで、悩みを持たれている読者の人事担当の方も、
多くいらっるのではないでしょうか。

これは、教え子たちを見ていても、本当にその通りだと
思います。

今回は、社会人4年目のAさんのことを事例として、
書かせていただきます。

Aさんは、既に4社目の会社に在籍しています。
(4社目で、ようやく落ち着ついてきましたが。)

Aさんは、非常に就職活動に熱心でした。
熱心だった理由は、一言でいうと、「楽しかったから」
だと思います。

就職活動では、準備として「自己分析」という作業をし、
キャリアビジョンを描く・・・・ということをしていく
のですが、Aさんは、学生時代、すばらしい「絵」を
書いてきたことを覚えています。

就職活動初期。
はじめて出会ったその研修で、Aさんは、
繰り返し「楽しい」と言っていたように、
記憶しています。

Aさんは、律儀な性格で、就職活動中、頻繁に
講師の私に、近況報告のメールをくれました。

そのメールを読んでいると、非常に気がかりなことが
あったのです。

それは、異様なほどに、「プラスの言葉」で溢れていること。

単純に考えると、それは、すばらしいことのように思えます。

でも、これはカウンセラーの立場からすると、
Aさんとナマで会う限り、本心からいっているように
はどうしても感じられなかった。

何か、作った自分を無理やりに演じているようにしか、
思えなかったのです。

Aさんは、数十に及ぶ企業説明会にいっていたのですが・・・。

その報告を見ても、
「●●という会社の説明会では、ともかく人事の人やさしかった。
 若手の意見が通りやすく云々の風土で~~」

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