掃除機バトル・ダイソンの牙城に合わせ技で挑む三洋電機

2008.07.10

営業・マーケティング

掃除機バトル・ダイソンの牙城に合わせ技で挑む三洋電機

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

携帯電話やパソコンのデジタルものや車などに比べると、家電はあまり注目が集まらないプロダクトかもしれない。しかし、よく見てみるとなかなか面白い戦いが展開されている。

掃除が好きだ。・・・ちょっとウソをついてしまった。正確には、掃除は大嫌いだが、「掃除機」が好きなのだ。特に、あるプロダクトに出会ってから。
「ダイソン」のサイクロン掃除機。
サイクロン方式とは、チリやゴミを掃除機が空気と一緒に巻き込んで吸い込み、空気を本体内部で旋回して遠心力でゴミと空気を分離・集塵するタイプを指す。ダイソンはその方式のナンバーワンといって間違いないだろう。
サイクロン方式は、紙パック方式と比べて「大量に集塵しても吸引力が落ちない」という触れ込みであったが、実際には吸引力不足のトラブルが相次いだ。事実2年ほど前、国民生活センターには多数の苦情が寄せられており、同センターから各メーカーに改善要求が出ていた。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20060406_1.html

しかし、当時からダイソンは「吸引力が落ちない唯一の掃除機」というキャッチフレーズ通りの性能を誇っていた。
筆者がダイソンの掃除機が好きなのは、その吸引力に惹かれてだけのことではない。プロダクトとしてのデザイン完成度の高さと、何より、透明の集塵ケースの中で豪快にチリとゴミ回転分離されていく様が見えるのが好きなのだ。
http://www.dyson.co.jp/

効果が実感できるというのは極めて重要なことだ。E・M・ロジャースの「イノベーション普及要件」でも、「効果が目に見えて実感できること」があげられているぐらいだ。

さて、そんなサイクロン掃除機のナンバーワンブランドに戦いを挑んだのが、 三洋電機コンシューマエレクトロニクス。空間清浄サイクロン「airsis」(エアシス)を2008年9月1日に発売するという。
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0707news-j/0709-1.html

何と、<床も空気も掃除し、さらに二酸化炭素(CO2)の排出量を従来機種よりも約半分に削減するクリーナー>だという。これは凄まじい「合わせ技」だ。
「CO2排出量半減」はエコな世の中への訴求ポイントとなるが、それだけではない。<掃除機がけが終わった後、お部屋の空気を清浄するモードを設けました。例えば子供部屋など、空気の汚れの気になる場所へ移動させ、スポット的に使うことも可能です>という。掃除機であって、空気清浄機でもあるわけだ。
さらに<クリーナーの排気による床面ゴミの舞い上げを抑え、本体が0.3μm以上の微粒子をキャッチしキレイな排気を実現。床面だけの平面掃除から、空気までお掃除する3次元掃除スタイルへ>というのも大きな売りのポイントなのだろう。
ということで、この「エアシス」のポジショニングとUSP(ユニーク・セールス・ポイント)は「床のチリやゴミだけ気にしていてもダメ。空気もきれいにするのが掃除です」ということだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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