右脳的思考が必要な理由 by ダニエル・ピンク

2007.05.23

ライフ・ソーシャル

右脳的思考が必要な理由 by ダニエル・ピンク

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日聞いたダニエル・ピンク氏の講演のポイントをご紹介します。 講演内容は、ダニエル・ピンク氏が執筆したベストセラー、 『ハイ・コンセプト 「新しいこと」を考え出す人の時代』(ダニエル・ピンク著、大前研一訳、三笠書房) のエッセンスでした。

ピンク氏の講演のキーメッセージ(結論)は、

「右脳的思考が、これからのビジネスの成功のために必要である」

ということです。

ただし、誤解してはいけない点は、

「左脳的思考」

も相変わらず重要であるということ。
(ピンク氏は、この点を繰り返し強調していました。)

現在のビジネスにおいて、

「左脳的思考」

だけでは不十分であり、

「右脳的思考」を

活用しなければ、あなたは代替されてしまいます。

「何(誰)」に代替されるのか?

コンピュータと賃金の安い外国の有能な人々にです。

なお、左脳的思考と右脳的思考の違いは次のとおり。

・左脳的思考・・・逐次的、論理的、分析的な見方・考え方
・右脳的思考・・・直観的、本能的、包括的、全体的な見方、考え方

ピンク氏は、右脳的思考が重要と考えるべき3つの理由(背景)を
挙げます。

・アジア(Asia)
・自動化(Automation)
・豊富さ(Abundance)

-------------------------------------------

(1)アジア(Asia)

アジアでも、特に中国、インド、マレーシアといった国々のこと
ですが、これらの国は、教育水準が高く英語が話せる人々が
絶対数としてたくさんいます。しかも賃金水準が欧米よりも
はるかに低い。

例えば、インドの人口は10億人ですが、その約15%、
1億5千万人は、教育水準が高く才能とやる気にあふれる人々。
(日本の人口を上回っていますね!)

2010年には、英語を話せる人が世界で最も多くなるのが
インドだそうです。

そして、インターネットの進展により物理的距離、時間の壁が
取り除かれ、こうしたアジアの人々が欧米の人たちに変わって
さまざまな仕事を引き受けるようになっています。

しかも、専門性が高く、安定した職業だと考えられていた
弁護士や会計士の仕事でさえ、アジアの人が格安で
代行しています。

仕上がりが同じなら、仕事は、より安いところに流れる。
シンプルな経済原理です。

(2)自動化(Automation)

これまで、機械が、人間の筋肉、つまり身体的機能を
代替してきましたが、現代はコンピュータが人間の知的作業を
代替するようになってきていますね。

ただし、代替できるのは、ルーティンワーク、すなわち
手順が決まっている定型的な仕事です。

逆に言えば、ルーティンワークしかできなければ、
そのうち仕事がなくなってしまうということです。

(3)豊富さ(Abundance)

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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