原材料の高騰によって食料品などが相次ぐ値上げに踏み切った。その中でも売り上げ減少に最も大きく影響したのが日清・カップヌードルだろう。値上げ前比-52%と半減以上。その原因と、同社が値上げに踏み切らざるを得なかった理由を探ってみたい。
こうして見てみると、カップヌードルの値上げは、それ以外に手段はなく八方ふさがりであり、苦渋の決断の末にやむなくそれに踏み切ったことが見て取れる。
■ストックが底をついたときどう動くか
売り上げ半減と厳しい数字が出たが、カップヌードルは保存が利くという面も見逃せない。コアユーザーが値上げ前にまとめ買いし、それ故、売り上げが大きく落ち込んだと考えられる。しかし、ストックも無尽蔵ではない。賞味期限もある。だとすれば、この後ジワジワと売り上げが上がっていくのであれば、不承不承、消費者は値上げを承諾したことになる。そうでなければ、離れてしまったか、代替品に移ってしまったかということにになる。
繰り返すが、価格戦略は4Pの最重要施策であり、利益創出は最後のPriceの設定次第である。しかし、そこに絶対の正解はないことも確かだ。
今後、数多くの、食品だけでない多くの製品が値上げを余儀なくされるはずだ。その際、このカップヌードルの事例から学べる点を考慮すべきだろう。
そして、今後、定番商品であるカップヌードルが消費者の支持を取り戻し、復活することを願ってやまない。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。