プロジェクト管理:そのWBSって本当にFinish to Startですか?

2008.05.24

経営・マネジメント

プロジェクト管理:そのWBSって本当にFinish to Startですか?

入野 康隆

- 15000人月以上の大規模プロジェクト - 100人月-2000人月規模の中小プロジェクト - ベンチャー企業や大企業の新規事業開発プロジェクト - 業務改革プロジェクト など いろんなタイプのプロジェクトのご支援をしてきました。 スケジュール作成・進捗管理はプロジェクト管理のキモなので、 ハマりやすい落とし穴やツボを簡単にまとめ、WBSのサンプルを提供させていただきます。

スケジュール・進捗管理のプロジェクト管理における位置づけ

プロジェクト(管理)計画書の目次は一般的には次のとおりです。

1. プロジェクト立ち上げの経緯
2. ゴール
3. スコープ
4. スケジュール
  - マスタースケジュール
  - WBS (Work Breakdown Structure)
5. プロジェクト体制
  - 体制図
  - 役割
  - 会議体
6. プロジェクト予算
  - コスト見積もり
  - 定量的効果
  - 定性的効果
7. プロジェクト管理プロセス
  - 進捗管理
  - 課題管理
  - 品質管理
  - 障害管理
  - 文書管理
  - リスク管理
  - スコープ管理/変更管理
  - 予算管理/調達管理/契約管理
  - 各種管理票サンプル etc

--- 初級者によくある間違い ---------

■ Finish to Startのタスク依存性しか想定していない
タスク間の依存性には4つのタイプがあります。

Finish to Startのタイプしか載っていないWBSをよく見かけます。
すべての矢羽がきれいな階段状になっいるのでとても美しいWBSです。

しかし、タスク依存性はFinish to Startだけではありません。

意外と多い間違いは、実際にはStart to StartなのにFinish to Startだと勘違いしてしまうケース。

must Finish task A to Start task B
= 「タスクBを着手するためには、タスクAが完了されていなければならない」

must Start task A to Start task B
= 「タスクBを着手するためには、タスクAが着手されていなければならない」

両タイプともタスクBの着手のタイミングがポイントであるのは同じですが、
Start to StartをFinish to Startと間違うと、
タスクBの着手のタイミングが遅れてしまいます。

なぜタスクBの着手が遅れるのかというと、
must Start task A to Start task B
= 「タスクBを着手するためにはタスクAが着手されていなければならない」

「タスクAの完了をわざわざ待たなくても、タスクAが着手さえされていれば、早めにタスクBを着手できる」

つまり、Start to StartをFinish to Startだと勘違いすると、
タスクBをもっと早く着手できるのに、わざわざタスクAが終わるのを待ってしまって時間をムダにするのです。

「本当にFinish to Startか?」と疑ってみるだけでも、時間短縮のチャンスが見つかるかもしれません。

次のページ■ クリティカルパスを詳細レベルで把握していない

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