ホワイト家「お父さん」とエリマキトカゲ

2008.05.20

営業・マーケティング

ホワイト家「お父さん」とエリマキトカゲ

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

歩行者天国を散策していたカップルの女性が、ふと「あ、お父さん」とつぶやき、彼氏が「あ、ホントだ」と言った。偶然、彼女の父親と出くわしたのかと思いきや、その視線の先には・・・

転じて、「ホワイト家」。これは秀逸な広告だといえるだろう。この広告がソフトバンクモバイルのものであると知らない人はいないだろう。そして、「ホワイト」が同社の「ホワイトプラン」を表わしていることも多くの人が分かっているはずだ。
この広告のポイントは、そうした認知・注目のレベルを超えて、何やらオトクな料金プランがあるらしいぞと、概ね内容を理解させるところまで、きっちりと「語っている」ことだろう。
白い犬がしゃべる。とりあえの興味喚起、つまりツカミはOKだ。そしてサービスのメリットをしっかり語っている。語りを聞かせる工夫もある。「ホワイト家」というだけあって、ちゃんと家族が登場する。が、お父さんが犬なだけでなく、長男が黒人だったりとどこか不思議な構成で関心を高めている。その家族が「どのようにメリットがあるのか」をストーリー仕立てでしっかり語り、さらに最も「誰にとって」メリットがあるのかをシリーズものにしてシーンを変えて伝えている。該当する視聴者はそのメットを理解すれば、「ソフトバンクに変えちゃおうかな」とDesireまで進むかもしれない。

こうして比較すると、「エリマキトカゲ」は「一発芸の芸人」のようなもので、それに対し「お父さん」は「ストーリーテラー」として機能しているのが分かる。
エリマキトカゲから20余年が経っている。今日の広告・CMはツカミだけでは許されない。Attentionが主たる機能とはいえ、しっかりと効果を期待されているのだ。今後も「白戸家の人々とお父さん」はしっかりと演じて、語ってくれるに違いない。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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