ビジネスパーソンとしての実行力(1) 自分にベクトルを向ければ、実行力は高まる

2025.09.25

経営・マネジメント

ビジネスパーソンとしての実行力(1) 自分にベクトルを向ければ、実行力は高まる

村上 和德
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

多くのビジネスパーソンは、日々、ルーティンワークと呼ばれる同じような仕事を繰り返していますが、当然、新しい結果を得るためには、新しいことを行う必要があります。 そして、成長意欲があり、チャレンジ精神をもっている人は、新しい結果を出したい、これまでできなかった目標を達成したい、新たなビジネススキルを身につけたい、といった意欲のもと、さまざまなことにチャレンジを開始するわけです。その結果がどうであれ、自分自身の成長のために何かをやろうと考えることは素晴らしいことで、それだけでも「高い意欲を持っている」と高評価につながります。

多くのビジネスパーソンは、日々、ルーティンワークと呼ばれる同じような仕事を繰り返していますが、当然、新しい結果を得るためには、新しいことを行う必要があります。

そして、成長意欲があり、チャレンジ精神をもっている人は、新しい結果を出したい、これまでできなかった目標を達成したい、新たなビジネススキルを身につけたい、といった意欲のもと、さまざまなことにチャレンジを開始するわけです。その結果がどうであれ、自分自身の成長のために何かをやろうと考えることは素晴らしいことで、それだけでも「高い意欲を持っている」と高評価につながります。

しかし、残念なことに、「これをやりたい」と決めても、最後までやり遂げることができる人は、ごくわずかであることが現実です。やると決めたことが実行されるだけでも2割から3割と言われることもあり、ましてやその行動によって、目標が達成されたという例は本当に少ないことは、誰もが実感することだと思います。

例えば、TOEICの点数を900点まで伸ばしたいと思って参考書や問題集を購入しても、20ページまで進んだところでやめてしまう。課金型のAIトレーニングを試してみても、900点にたどり着くまで継続できない。有名な通信講座でも、最初に200人の申し込みがあったとしても、最後まで提出を続けるのは10人に満たないほどだそうです。

武道の世界でも同じです。極真空手の黒帯取得者は全体の5%未満で、脱落が最も多いのは緑帯だといいます。緑帯は上級者になるため、試合には(自分より下のクラスの)初級・中級がいません。格上の相手とばかり戦うことになります。結果、恐怖心が芽生え、試合を避けるようになり、稽古にも足が向かなくなります。組み手の稽古を1カ月しなければ、感覚は一気に鈍ってしまいますので、さらに足が遠のきます。そうして辞めてしまうのだそうです。

私個人の経験からもそう思います。私は営業の仕事をテレコール営業でスタートしたのですが、やる気はあっても、テレコールを毎日100本掛け続けられる人は私以外いませんでした。

実行意欲はあっても実行されない?

実行意欲とは、「頭がよくなりたい」と思うのと同じで、誰もが持っている欲です。ところが、資格の勉強を始めたり、新しい習い事に挑戦したり、ジムに入会したりと、最初の一歩を踏み出す人は多いものの、最後までやり切れる人はほんのわずかです。つまり、実行意欲と実行力とはまったく別物で、実行意欲があれば実行されるとは限りません。むしろ、過度な自信や自負心は、考え方を間違えると実行の邪魔になる場合もあります。

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村上 和德

ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長

1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。

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